ロミオ／大浦　薫 　ジュリエット／梦月　楓 　マリーアントワネット／徳永　真理子 　エリザベート／皐月　風夢 　ルードヴィッヒ／和月　舞 　ピーターパン／浜端　宏恵 　人魚姫／大野　里紗 　アリス／立花　優稀 　時計ウサギ／濱地　恵 　トライもん／樹生　せつな 　ノビテくん／葵　かずき

さくらさくらカンパニー１０周年記念公演『Story』無事閉幕しました。 　　まずは１０周年おめでとうございます！ 　　私自身は３年くらい前から関わらせていただいておりますが、それ以前は何度か舞台を拝見するだけで 　　自身が同じ舞台に立つことになるとは思っていませんでした。 　　初めてお話をいただいた時、なぜに私を？と心底不思議に思ったことを昨日のことのように覚えています。 　　　 　　今回、一年ぶりにまたさくらの舞台に立つことになり、トライもん。という役をいただきました。 　　彼は自分では動こうとしないくせに不平不満ばかりを並べる人間たちに「それではダメなんだ。」と 　　警鐘を鳴らす役割を与えられていました。 　　はっきり言って難しい役です。なぜなら私自身が警鐘を鳴らされる立場の人間だから。 　　人と必要以上に関わるのが煩わしい。適当に合わせてその場だけを取り繕えばいい。無様な姿はさらしたくない。 　　下手に口を出して嫌われるくらいなら何も言わずに黙っていよう・・・・ 　　 　　だけど今回の芝居に参加するにあたり、私は決めていたことがあったのです。 　　それは「決して自分を失わないこと。」 　　私は私でいい。自分を良く見せようとか、認められようとか、格好つけてみてもできないことはできない。 　　それを隠してプライドだけ護ったとしても何も得るものはないのだと。 　　まず己というものが無くて、その上にどんな役を演じることができるものか。 　　よっしゃ、どんな役でも来い！できんならできんで本番までにできるようになってやるっ！ 　　　 　　そんな折にこの役が与えられたのは必然のことだったのだと思います。 　　トライし続けるトライもん。これは演出家の私へのメッセージだったのかもしれません。 　　それに応えられたかどうかはわかりませんが、少なくとも私には多少なり変化をもたらしました。 　　私は私。 　　だけどそれは他を省みず己を貫くことではなく、己を晒して他に受け入れてもらうこと。 　　それによって足枷が無くなる。素直になれる。人と関わることが楽しくなる。もっと上を目指せる。 　　そういう姿勢で臨んだ今回の舞台は厳しくも本当に心から仲間を信頼し、楽しいと思えるものでした。 　　 　　終演後、たくさんの面識のないお客様や小さなお子様からもお声をかけていただきました。 　　それは私がちゃんとトライもんという役を生きていたからかな？・・・少しだけ胸をはっても良いかしら（笑） 　　トライもんはこれで終わりですが、これからもずっとトライし続けて行こうと思います。 　　樹生せつな