2004年11月20日(土曜日) 2日目

★ 天窓の奇跡 ★

この日の公演は2回。14時と18時だ。
実は、前評判からこの「14時公演」がベストでは?といわれていた。
会場の真正面、アクティングエリアのセンター部分に、大きな天窓がある。
マリーが登場するシーンでは、そこはコンシェルジュリ牢獄の彼女の部屋で、
その天窓は外界に通じるただひとつの窓、という設定になっている。
窓なので、モチロン外が見える。お客様の位置から見上げるそれは、
驚くほど澄んだ青空だ。

お気づきの方もいるだろう。11月下旬の空模様。
そう、14時開演となると、開演時は青空だが、1時間15分ほどの作品が
進むにつれて、ゆっくりと陽が暮れていくのである。

マリーが登場し、幼少の頃の思い出が語られ、彼女の人生が急転していく中で、
死刑を宣告され遺書をしたためる頃、外は夕焼けから闇へと変わっていくのだ。
マリーの人生を彩る、自然の光。こんなに効果的な演出があるだろうか。

「この回、絶対素敵だ!」

と、出演者も演出家も、ワクワクの回だった。…………が!
当然、期待した天窓の奇跡も、出演者は全然見えないので、
その奇跡はお客様だけが知っている。
★ 影絵 ★

ところでその天窓、開演前に別の窓から入ってきた光が反射して、
あの白い壁の一部に光の枠が投影されていた。

「うーん……これって……なんかイマイチだよねぇ……?」

時間が進むにつれて陽が動き、見事開演前には消えたので問題はなかったが
そんな演出家の苦悩を知らず、とっくんさん(徳永)となちさん(梦月)と
音響のやだぼうさんは、「キツネだ、イヌだ、ハトだ、カニだ、ヤカンだ!」と
ひたすら影絵に興じていた……。


★ セクスィ〜? ★


ドレス。今回の印象はコレが強いお客様もいたのではないだろうか。
白と黒のロココなドレスは、非常に大変なものだった。

まず、着るのが大変。脱ぐのも大変。
そして、何よりも面積がでッかい! ばさ、と脱ぎ置いたドレスは
軽く二人が並ぶくらいの幅を占める。控え室はそんなに広くなかったので、
とっくさんもなちさんも、公演が終わるとドレスを脱いで、会場に置いていた。
「脱皮だ、脱皮!」 と言われていたが、問題はその中身。

とっくんさんは黒のタイツに、黒のシャツで問題はなかったが、
なちさんは白のヒールに白のタイツに、白のビスチェ!(さらに縦ロールの髪)
しかも恥ずかしげもなく、そのままの姿で闊歩する……おいおい。
「なちさ……うわっ!」
と、何も知らず振り返った音響のやだぼうさんが絶句していた。
「マドンナと呼んで」と、トチ狂ったことを言っていたが、
「パンツ履き換えるの忘れてた〜!(衣装が白なので白の下着に着替えていた)」
と叫んだかずきさんが、その場で裸体になってパンツを着替えているよりは
よっぽどマシだ……と、なちさんは思っているらしい。

五十歩百歩とは、こういうことを言うのだろう、と、とっくんさんは思っているに違いない。


★ まままままままならぬ ★


「ままならない」というセリフが言えない。
そう苦悩するのはかずきさんでした。
どうしてもどうしても、「ままならない」が言えず、カミカミになるのだそうです。
稽古中はそうでもなかったのに、どうやら本番の神様にイタズラされている様子。

「いやああああ!どうしよおおおおお」

何回目の公演かは忘れましたが、焦って本当に

「まままままならない」と、何度も「ま」と言ってました。
結局、かずきさんにとってのクリア課題は最終日まで残ったままままm……。


★ 確か史学部卒業 ★


そんなかずきさんを笑っていたなちさんですが、彼女の大ボケっぷりは
「苦手なんです、数字!」という、年号にありました。
お稽古中から

「1973年、マリーアントワネット処刑……」
「違うよ、なちさん!それめっちゃ最近やし!\(◎o◎)」

と年号を苦手としていたのですが、とうとう本番でやってしまいました。

正解:「1792年、チュイルリー宮殿は民衆によって襲撃され……」
なち :「1777年、チュイルリー宮殿は民衆によって襲撃され……」

えええええええ!!!!!!!!!!!!

クライマックスも近いというのに、マリー若返りですか。
それ、ルイ15世が死去した年ですよね。(この年号も、作品前半でなちさんが言ってます)

お手元のパンフレット掲載の年表と見比べながらご観劇くださった皆様。
間違っていたのは、史 学 部 を 卒 業 し た、なちさんです。

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