シャーリー「・・・お母さん、お父さん・・・言わなくちゃいけない事があるの。
 ・・・本当は2人に、孫の顔見せてあげなくちゃいけないんだけど・・・
 アタシ、好きになるのはいつも男性なの。他の人みたいに
 平凡には生きられない。・・・一流の美容師になって、
 世界中の人をキレイにしてあげたい。皆を笑顔にしてあげたいの。
 でも信じて・・・アタシ、生れてきてよかった、本当よ。・・・ありがとう。」

エリカ「ありがとう、八木ちゃん・・・私に出会ってくれて。
 こんなええかげんな私やけど、私は八木ちゃんが好きやねん。」

八木ちゃん「ありがとうな、エリカ。こんなオレやけど・・・
 ラーメン屋やってる、アホでガラの悪い男やけど、オレもエリカが好きや。」


時の流れをさかのぼるように、メンバーが動き止まるとき、山崎が登場し近藤と対峙する

 

山崎「ただの上方の町人やった私が、あなたに出会い、進むべき道を見つけた。
 私はここで生きるために、この世に生れたんや・・・
 この世界が、この時代がほんまに好きやと、そう思える生き方が出来ました。
 確かに人様よりは短い人生やったけど、もわからんまま、時が過ぎて・・・
 気がついたら年老いてしまう人生よりも“やるだけやった“思て生きることができたんは、
 近藤先生と皆に出会えたからです。
 そやから、私は何一つ後悔はしてません。」

近藤「山崎・・・ありがとう」

 

立ち止まった土方に、島田が登場して声をかける

島田「あなたと過ごした日々は闘いの連続でしたが、
 あれほど充実した時間を私は知りません。
 出自のちがう、本来なら出会うことのなかった我らが新選組で出会い、
 共に蝦夷地まで闘い続けることができた。
 あなたと共に闘い、こうしてまた話すことが出来る。
 私たちは共に多くの仲間を見送り、涙し、笑った。
 ・・・我らは確かに生きたのだと、後の世の人たちに知らせましょう。」

  

土方  「最後まで俺に、新選組についてきてくれた。
 俺の柄じゃねぇが・・・感謝している。」

島田  「そんなあなただから、一緒に闘いたいと思った。」

 
  

沖田「それでも・・・時々不安になる。私の歩んできた道は正しいのか?
 もっとちがう答えがあるんじゃないかって。
 剣の道を歩まなければ、もっと幸せになれたんじゃないか?」

もう1人の沖田総司が登場して、語りかける

沖田総司「あなたがそう語りかけるとき、私は無心に剣を振るう。
 私の中のあなたに出会ったあの日、真逆の心に揺れ動く自分に気付きました。
 斬りたいと思った。でも出来なかった。
 私たちは完全に裏表だけれど、どちらも大切な自分自身なのでしょう。
 不安に進めなくなるあなた、ただ進もうとする私。
 互いがいるからこそ・・・淡々とした日々の中で、気付くと私たちは笑い、
 そうやって日々は過ぎていく。」

沖田「そうですね・・・ありがとうございます」

沖田総司「ありがとう」

 


 

コロス6「土方歳三が見た夢」
コロス7「近藤勇が見た夢」
コロス8「沖田総司が見た夢」
コロス1「伊庭の・・・」
コロス2「伊庭の・・・」
コロス5「伊庭八郎の見た夢」

 

コロス達はどんどん動き始める
映像もめまぐるしく変化する
やがてコロス達は、ゆっくりと立ち止まる

コロス6「ここにいるということ」
コロス7「ここにいきるということ」
コロス8「ここからすすむということ」
コロス1「全てはおなじ」
コロス2「すべては同じ」
コロス3「ただひたすら流れていけばいい」
コロス4「前を向いて」
コロス5「とどまることなく」
コロス6「それが誠」
コロス8「誠」
コロス7「これが俺の誠」



大きく揺れ動くような、何かが割れて壊れるような印象的なSEが声に合わせて
どんどんおおきくなっていく
コロス達は各々のやり方で目の前の壁をたたきだす。
その動きと声は、小さいところから大きく変化していく

コロス8 「生きろ!」
コロス7 「生きろ!」
コロス6 「生きろ!」
コロス5 「生きろ!」
コロス4・3「生きろ!!」
コロス2・1「生きろ!!」
全員  「生きろ!!!・・・生きろ!!!!」

全員は一瞬息を合わせて、叫ぶ
その瞬間は完璧に、息が合っている
壁の破れるような、ガラスの割れるような象徴的なSEが聞こえる

  

照明が一斉に、変化して一瞬全てが凍りつく
全員は照明に合わせて、ストップモーション
心の“時”が止まり、全てがリセットされる

やがて全員は、自分のリズムで動き始める
照明も命が宿ったかのように、でも何事もなかったかのようにユラユラと動き、
空間は成長を始める。