オープニング

衝撃的な音楽と共に、紗幕の向こうに彼らの姿が浮かび上がる…

 

  

 1場

新選組の登場…? そこに、討幕派の志士たちが斬りこんでくる…!

 

  

次々と近藤勇 (樹生せつな) に討たれる志士たち。坂本龍馬 (大浦 薫) と近藤は、相討ちに倒れる

 

…が! 全滅の真相は、追っ手をだますためのお芝居だった。 表向きは敵同士の彼らは親友たちだったのだ

 

 

彼らが集まったのは寺田屋。京美人ながらキツイ女将のお登勢 (梦月楓) と気の強い龍馬の許婚・おりょう (菜の花) が切り盛りしていた。 

 

 

 2場

楽しく飲み明かす一夜。騒ぎに気付かれたら…とお登勢は龍馬に釘を刺す。しかし、龍馬はそんな心配を笑い飛ばした。

「やつらは、まっことこの日本のことを考えちゅう。いまさら、友達付き合いは辞められんぜよ」

そんな彼らが出会ったのは、京で開かれた「スーパーかっこいい剣豪は誰だコンテスト」だった…

 

 3場

スーパーかっこいい剣豪は誰だコンテスト!

 

  

歴々のメンバーを抑えて優勝したのは、近藤 勇だった(決め手は手品でスキを狙ったのだけど!)

「準々決勝まで残った皆の衆! カラオケでもいかんか?! もらった賞金でパーッと派手におごるぞ!」

という近藤の誘いに、彼らは向かうのだった… カラオケ・池田屋へ…

 3場

  

   

 

カラオケで盛り上がりながら、自分たちの夢を語る彼ら。そこで、西郷隆盛 (浜端 宏恵) は先日一目惚れした女性について語り始める…

 「あの後ろ姿、忘れられん…」

桜の柄の内掛けを羽織っていた 「桜さん」。顔も見えなかったがその楚々とした雰囲気に惚れた西郷の話を

桂小五郎 (葵かずき) はビミョーな気持ちで聞いていた

そんな中、追っ手がやってくる。彼らはすかさず、敵味方のフリをして派手な立ち回りをはじめた。

 「めんどくさいのー」

お登勢 「これが世に名高い、池田屋事変の真相どす。すんまへん、堪忍どすえ」

 4場

 

岩倉具視 (大野里紗) は、間者である桂小五郎に幕府と薩長との優劣をたずねていた。

政権から遠ざかっていた公家の復興を、岩倉は強く願っていた

 

蛤御門の変で逃げる桂は、女性の打ちかけをまとって変装して逃げていた。岩倉はそのうわさを聞きつける

岩倉 「流石は<逃げの桂>はん。悪智恵がよぉ働かはる」

その姿こそ、西郷が惚れに惚れている 「桜さん」 とは、桂はとても報告はできなかった

 5場

西郷の想い人は遊女ではないか、という高杉晋作 (七海 翔) の助言(?)で一同は遊郭・島原に来ていた。

 

全員 「今日は給料日前だ! 金がない…!」

 

そんな彼らの前に、お琴 (大嶋 るな) が現れる。戦で親を亡くし、行くところがなく島原へ身に売りに行く途中だという彼女に

桂と西郷は、ほのかな恋心を抱く。

彼らはお琴を引き止め、働き口を探すと請け負った。

 6場

行った先は寺田屋。坂本を筆頭に、全員がお琴を雇ってくれと女将に頼み込む

 

女将はお琴のやる気を見込んでその話を了承する。

女子が身を売るような世の中が間違っている! と心を新たにする一同。やがて、話はみんなの夢の話へ。

 

ホストクラブ「奇兵隊」を作りたい高杉 晋作。

 沖田 「僕は可愛いお嫁さんと白い小さい家に住むのが夢なんです。子どもは2人!」

 坂本 「わしは男女も身分も関係なくみんなが楽しめるテーマパークを作りたい」

みんなが夢を語る中、桂小五郎だけは夢を語れなかった。

桂 「わしは…夢なんて持っちょりません。ただ勉強して、えらい人に選んでもらうのを待つしかない思うちょります…なんか、すみません…」

 

寺田屋の女子たちも、お琴という新しい風を巻き込んで、敵味方なくただ 「日本人」 として国を憂う彼らを支えようと気持ちを新たにする。

  

 7場

 

桂 「戦は避けられないのですか…」

岩倉 「血の気の多い人らで戦起こして、どっちかが死んでくれたら、大掃除が出来てはよ片付くのに。・・・じれったい事や」

桂の裏切りに気付いていた親友の高杉は、選組の間者・山崎丞 (楠霧ひかる) とともに岩倉の屋敷に潜む。

 そこに、寺田屋女将のお登勢がくのいちの格好で現れた。彼女は幕府の隠密だった

高杉は、しばらく桂の裏切りを黙ってて欲しいとお登勢に頼み込む。

坂本が締結した<薩長同盟>にヒビを入れないためにも、とお登勢は承諾した。

どうやって犬猿の仲の薩摩と長州に手を結ばせたのか…それは歴史の謎だった。

 8場

薩長同盟。それは、坂本が薩摩の西郷、長州の桂に持ちかけて、あっちむいてホイ! で勝負をつけた同盟だった!

  

※あっちむいてホイ!は、ぶっつけ本番、アドリブでお送りしました。大阪公演は西郷さんの4連勝でした〜!

 

坂本「しかしおまんら、このゲームの事は他言無用ぜよ!」
桂  「この国の一大事を“あっちむいてホイ”で決めたなど・・・」
西郷「恥ずかしくて誰にも言えもはん!」
坂本「それもそうじゃ。よし、薩長同盟成立じゃ!!めでたいのう」

 9場

近藤は、消極的な幕府の姿勢に嫌気がさしていた。沖田 総司 (和月 舞) の無垢な笑顔が、彼を救う。

 

桂は、お琴に淡い恋心を抱いていた。同じく西郷も…。お琴は、西郷の方が気になるらしい。

  

坂本とおりょうは、新婚旅行から帰ってきたところだった。待ちぼうけをくらってたおりょうは怒り気味…。

 

同時に 「海援隊」 を作った坂本は、黒船を買って商いをし、みんなで異国へ行こう!と呼びかける

  ♪「新鮮組!」

坂本 「わしらは、いうなれば <いつも新しい気持ちの仲間>… 「ザ・フレッシュ・カンパニー 新鮮組」 じゃ!」

 10場

しかし、時代は静かに彼らの元へやってきていた。

   

キラキラと未来を見続ける坂本に、その手は忍び寄る。皆が心配をする中、坂本は笑顔を向けた。

坂本「ワシは死なん!この国を楽しゅうて元気のある国にするんじゃ。
   ・・・言うたじゃろ、テーマパーク作るんじゃ。
   異国を皆に紹介して、黒船買うて、メリケンやエゲレスやフランスに行くんじゃ。
   皆も一緒ぜよ!・・・心配せんでもええぜよ、ワシはこう見えて運はええんじゃ。
   それにこの日本国に、そげん悪い人間はおらんちや。ワシらは皆、日本人・・
   仲間じゃ!皆、早うこの国新しゅうして、一緒に異国へ船出するんじゃ。
   のう皆・・・がんばろうぜよ!」

岩倉「坂本はん、あんたはもうジャマですのや。
    ほな、ゆっくりお休みやす・・・さいなら、坂本はん。」

お登勢 「坂本龍馬、享年33歳…自由奔放な生き様どした…!」

 11場

戦いの音は近付いていた。

近藤「・・・もうすぐ戦が始まる。もうウソの斬り合いは通用せんな。」

西郷「皆、新しい時代でまた会おう!」

  

時代が音を立てて急激に変わっていくなか、「誰かひとりでも生き残れたら、みんなの夢を実現しよう」 と約束して彼らは立ち上がる。

お登勢 「うちらこの寺田屋で、皆はんの次のお越しを首を長ごうしてお待ちしておりますえ」

そこに、桂が飛び込んでくる。間者となっていた桂はそのことを告白しようとするが、全員がその事実を理解していた。

西郷 「誰も悪くないんじゃ。のう、桂さん」

深い彼らの想いに涙する桂。そして、彼らは敵味方となって斬り合いをはじめる…。

 

お登勢 「お琴。忘れたらあきまへんへ。しっかり見届けるんや、あの人らの生き様を…!」
お琴  「はい…!」


そして、時代が動く。

 

西郷隆盛。明治十年、鹿児島城山にて戦死。
近藤勇。明治元年、江戸板橋にて処刑・・・享年35歳。

 

新選組監察方、山ア蒸。慶応四年、鳥羽伏見の戦にて戦死・・・享年35歳。
・・・高杉晋作、慶応三年、病没。享年27歳。
沖田総司。明治元年、江戸千駄ヶ谷にて病死・・・享年25歳。

ひとり、生き残ったのは桂小五郎だった。

 桂 「・・・皆・・・もう、起きてええぞ。戦は終わったんじゃ、なぁ、起きんか?」

桂 「ワシは・・・おんしらのように、何も夢を持っちょらん。
   そのワシが生き残って、何をせいっちゅうんじゃ?

   皆と一緒におって、ワシは・・・楽しかった。一度も礼を言わんじゃったが
   ・・・楽しかったんじゃ」

 

桂 「ワシは絶対に忘れん!!皆と一緒に船出するんじゃ!・・・
   約束じゃ!!」

 エンディング

♪「新鮮組」