ステージ写真


世界樹で勇者の助けを待つ祈りの姫、アウローラ。


 光の力を手にするのは白の国の王子、アリスティア。


アウローラの光の力を狙う、闇の王ヴァニタス。


 白の国騎士リュシオンは、アリスティアに永遠の忠誠を誓う。


アリスティアとヴァニタスはアウローラの力を巡って、宿命の対決を続ける。


 アリスティア 「どんなことがあろうと、決して負けはしない!」


 …という、ゲームをやっている康平。毎日が退屈で仕方ない大学6年生。
 「普通」であることへの違和感から卒業も就職もできず、
 退屈な日常に囚われている。

 ゲームプログラマーになりたい、という夢さえも、
 何もしないうちから諦め気味…。


ゲームの中じゃ、やりなおしもリセットもできる!とゲームに没頭する。



 そんな康平の前に突如現れたのは、ゲーム機から抜け出してきたアウローラ


アウローラ「ずっと抜け出したかったの!この窮屈な箱の中から!」


 
アウローラがいなくなったゲームの中では、様々な選択肢が再現される。


しかし、アウローラの不在はゲームの中でも不具合になっていき…


 アウローラの書置きを手がかりにキャラたちは人間の世界へ飛び出した!

 
初めて見る人間の世界。携帯電話もマックのセットもアラーム時計も、何もかもが新鮮で素晴らしいキャラクターたちに翻弄される康平。

 
 性格も思い出も全て「設定」されたキャラクターたちにとって、
 康平という「人間」の存在が羨ましくて仕方がない。

 アウローラ「みんな、本当に『生きて』いるのよ」

 アリスティア「全てが終わればリセットして、また新たに戦いが始まる」

 リュシオン「アリスティア様との思い出も『設定』です…」

 ヴァニタス「私は永遠に孤独な闇の中にいる、という設定で生み出された」


 康平は、現実から逃避している自分の存在の中に確かにある
 「本物の思い出」を感じていく。
 母親とケンカしたことさえも、キャラクターたちは手に入れられない
 「本物の思い出」なのだ…。
キャラクターたちが人間世界にすっかりなじんだ頃…。
康平は、母親からもらった就職祈念のお守りを探していた。

母親とケンカしたあと、その勢いで投げ捨ててしまったお守りは
ゲーム機の中に吸い込まれ、人間界とゲーム世界を結ぶ道となっていた。

アウローラたちは康平のお守りを無事に届けるため
ゲームの世界へ戻ろうとするが、康平はそれを止める。

 「俺はみんなが思っているような立派な人間じゃない!
 人間は全然立派なんかじゃない。
 現実から逃げて、ゲームやって、進むことが怖くて道も選べない…
 でも、俺、そんな人間になりたくない。
 俺、このままじゃダメなんだ!」

 



ゲームの世界に戻ってきたみんな。何故かマリオの康平…。


 お守りを見つけることができたが、そこに凶悪化したスルーアーたちが襲い掛かる!


リュシオンは、アリスティアを守り死んで行く。
「これは設定ではありません…本物の、思い出です…」


 スルーアーは人間界とつながったことで、人間の負の力を吸い込んでいったのだ



 激闘の末、アリスティアはヴァニタスをかばって
 致命傷を受け消えていく。

 「プレーヤーはお前だ。先へ進め、コーヘー…」

「設定に従い闇の王である私を倒すか、
 自ら負けてゲームオーバーを選ぶか…お前はどちらを選ぶ?」

「俺は…どちらも選ばない!」


ゲームの『設定』エンディングを選ばなかった康平は、
アウローラの光の力と、ヴァニタスの闇の力を手にした。

「これは設定なんかじゃない。本物の思い出だ!」

そして3人は凶悪なスルーアーに力の限り立ち向かう。

「俺は、カッコいい呪文なんか知らない。でも、守りたい!!!!」
 康平は部屋で目覚める。
 付きっぱなしだったゲームは「Your Winner」の文字。

 「どうやって終わったんだっけ…憶えてないけど、なんか爽快な気分!」

 康平は、今までにない達成感と高揚感を手にしていた。

 「俺、ちゃんと大学卒業して、ゲームプログラマーになる。
 設定された人生じゃなくて、ちゃんと自分で選んでいく!

 見ててくれよな!!!!

 …って、誰に言ってんだ。変なの…」