Sence1 Opning

Sence2 カタコンベと地下洞窟

亡きルドルフの棺に、嘆きを抱いたまま崩れ落ちるエリザベート。
俗世から離れ、地下洞窟に逃避するルードヴィッヒ。

 

Sence3

幸せな幼少時代。エリザベートはシシィと呼ばれ、父マクシミリアンから惜しみない愛情を受けていた。
やがて、オーストリア皇帝フランツから、求婚を受ける。幼い恋愛感情のまま、シシィはオーストリア皇妃エリザベートとなる。

 

一方、ルードヴィッヒは作曲家ワーグナーに惜しみない援助を与え、その至上の芸術に浸る日々。
しかし、ワーグナーは借金苦からルードヴィッヒの資金力を利用していた…。

親族でもあるエリザベートとルードヴィッヒは久しぶりの再会を果たす。
王の重圧に苦しむルードヴィッヒと、自由を求め続けるエリザベート。
二人は、共通の想いを抱いて、現実と理想の狭間であがき続ける。

Sence4 苦難の日々

オーストリア皇太子ルドルフは、父親である皇帝フランツに、王族支配の限界を訴えるが、聞き入れられない。
エリザベートはルドルフの手を取れず、やがてルドルフは自ら命を絶った…。

ルードヴィッヒには弟オットーがいたが、戦地に赴いたオットーは精神を病んでいた。
王位譲渡を考えていたルードヴィッヒだが、その道さえも絶たれたことをルードヴィッヒは知る。

 

自分の行く道は、どこにあるのか…。現実と理想に引かれ、離され、その道はまだ見えない…。

  

Sence5 現実

エリザベートには、姑である皇太后ゾフィーの執拗なまでの皇后教育が待っていた。伝統としきたりに反発するエリザベート。
やがて、自分の行動だけではなく子供たちの養育権までも奪われていく。
ルードヴィッヒには、精神科医グッデンが彼の精神病患者であると糾弾していた。

 

寄せる時代の波は二人を無傷にはしなかった。
ルードヴィッヒの治めるバイエルン公国は、ヴィルヘルム1世の治めるドイツ大帝国への吸収が差し迫っていた。
王としての誇りさえも奪われていくルードヴィッヒは、戦いの女神ヴァルキューレの夢を見る…

 

一方エリザベートは、オーストリア=ハンガリー二重帝国の誕生に歓喜していた。
ハンガリーを愛する心は強く、夫フランツの手さえも跳ね除けてしまう。
エリザベートは愛されることに飢え、無謀なダイエットを続けていく。

 

Sence6

つかれきったルードヴィッヒは、従僕ホルニヒとのひと時に安らぎを見出す。
自分の抱いていたオットーをはじめとする人々への感情が、「愛」であったとホルニヒから気付かされ
ルードヴィッヒは、人を愛することができるのだと歓喜する。

子ども、美貌、名声、時間、自由…すべてを失ったエリザベートにやさしい手を差し伸べたのは
誰よりも彼女を愛し、待ち続けた夫フランツだった。
エリザベートはフランツの愛に満たされる。

 

しかし、二人が求めている「道」の先に彼らはいなかった。求め続けるもの、それは…。

Sence7

「いつの間にか、眠ってしまっていたのね…」
まるで夢と現の狭間のような空間の中で、二人はお互いの存在を感じる。

「私はいつもそこにいたわ」
「私はいつもそこにいた」

それは、夢か現実か…。
二人の魂は初めてお互いを感じて、その手を取り合う。

 

「狂った王として追い詰められたあなたが、湖に入っていくのが見える…」
「孤独な旅を続けるあなたが、男に刺されるのが見える」

そして、やがて運命の瞬間がやってくる。

Sence8

「いつの間にか、眠ってしまっていたのね…」
まるで夢と現の狭間のような空間の中で、二人は再び目を覚ます。

何が、どれが、現実で夢だったのか…。

 

二人の心はまた着かず離れず…魂の奥底だけが、しっかりと繋がりあうのだった。

 

「ただ夢の狭間に…夢の、また夢」

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