出演者コメント
土方 歳三 as 大浦 薫
桜が満開の時期に、桜のように華々しく散っていった土方歳三を演じることができたこと、
新選組を愛する皆様、さくら2COMを応援してくださる皆様の思いや息遣いを
すぐ近くに感じながら一時の時間を共有できたことを、本当に幸せに思っています。
あの日見上げた桜を目の奥に焼き付けて、これからも自分の誠を探し続けたいと思います。
ありがとうございました。いつかまた、きっとどこかで。
沖田 総司 as 葵 かずき
坂口 里乃 (明里) as 梦月 楓
桜が大好きです。
毎年、春になると泣きたくなるのを必死で堪える時があります。
きっと、里乃もそんな気持ちでみんなを見送って行ったことでしょう。
明里、という人物は新選組を語る上で、山南さんを彩る女性として登場しますが
本当に実在したかどうかも判らない人です。
名のある人たちと違ってそんな曖昧な存在であった彼女ですが、
この「北天幻桜」で描かれたように
西洋化する日本の激流に流されず、彼らから受け継いだ芯を持ち続けて生きた
「桜の幹」であったと、私はこの頃、本当にそう感じずにはいられません。
土方歳三のように鮮やかにも、沖田総司のようにしっとりともなく、彼女は静かに生きた。
散ることだけでなく、生きる様もまた桜のような人であったと、
5年目に至って見付けた 「里乃」 に思いを馳せた舞台でした。
皆様の息遣い、まなざしの強さを受け止めて立たせて頂いた舞台。
大切に心に留めておきたい作品になりました。
明治(あるいは大正?)に生き抜いた里乃が一人で語るクライマックス。
中野演出が最初に 「おばあちゃんになった里乃が、大勢の聴講者に語りかけるように」 と
言われたので、そのように演じるつもりでした。
けれど、いざ本番で皆様を目の前にして立ったとき、私は初めて、そこにいる
「受け継がれた人たち」 を本気で心の底からいとおしい、と思いました。
あんな感触は、いままで味わったことがありません。
彼らの想いが、血が、吐息が、その存在の全てが、いまここに繋がっている。
その感動と幸福感を言葉にすることができません。
いつか、そんな全てを表現できる 「里乃」 になれるよう、これからもまた
何度も桜を見送りたいと思います。
皆様にとって 「さくら」 が特別な存在であり続けますように。
ありがとうございました。