5回目の明里いかがですか。 | |
5回目ですね。5回目にしてようやく本名が(笑) 誰にも「里乃さん」と呼んでいただけませんが…… 台本上では「里乃」「明里」と分かれていて実感します。 毎公演成長していて、いい女だなぁ、って思います。 |
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今回、明里を経て里乃さんとして、時代のさきがけとして戻ってくるわけですが、 作品に対しての豊富を聞かせてください。 |
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対談の時も言うたんですが、 作品の中で唯一生き残っている人なので 「後の世まで伝えていきます」という あの気持ちを大切にしたいと思います。 いい作品なので、ぶち壊さないように頑張りたいと思います(笑) |
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「ぶち壊す」って…… | |
あの人だけ現代なんです。 今から見たら過去ですけど。 死に場所を求めてギラギラしている人たちと、成仏するポイントを探している沖田くんとか…… 里乃から見るともう死んでしまった人たちなので、 一人生き残った者として、空気を壊さないようにしたいです。 |
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里乃は「見送る人」なんですね。 | |
それを言われるとすごくツライんです(笑) 兄を殺され、弟は病死し、父母は死に、武家の家は没落し、 島原に行き、遊女に身をやつし、ゼロからはじめ、その後天神になり、 好きになった人には切腹され(笑) 許し許され心を共にした人たちを見送り、太夫になり……。 彼女は「人の拠り所」のない人なんです。 |
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伝えるべき役柄の人なんですね。 | |
里乃の過去を考えるだに、ほんとに不憫な人で。 彼女はこんなにいい人なのに、 人に縁がないのかなぁって思うんだろうって。 でも、「止まる人」 に縁がないだけで、 人自体には縁があると思うんですよね。 |
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里乃の役目は皆を見送り、伝えていく運命だったのかな。 | |
みんながね、桜のように咲いて散っていきたい、 というのをキィワードにして生きてますよね。 土方さんもそうだし、山南さんもそうだし、 ある意味適わなかったけど沖田くんもそうだし、 出てこない隊士や当時生きていた人たちは皆そうだと思うんですけど。 桜のように散っていきたいと言っていた人たちは桜であって、 多分、里乃自身は桜の樹だと思うんです。 桜の樹一本って沢山の桜の花が咲いて、そこからばっと散っていくでしょ。 でも樹はずっと残っていて、次の年にまた咲いて、散らせて。 |
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大浦:ええこと言わはるわ〜 | |
全部散って、最後の花びらがなくなっても、 じっとひと冬耐えて、また咲かせる。 そういうのを繰り返す人なんだろうな、って。 |
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葵:花の養分吸ってるんちゃう? | |
ええ! あ、だから一週間で散っていくんですね。哀れですね。 |
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大浦:だからみんな早死になんだ | |
ひどい。いい話を語ったのに! | |
明里さんのこれからの未来とは | |
それにはね、具体的なビジョンがあるんです(笑) 語りつくせないのでダイジェストでお送りすると! 作品の始まりは明治10年くらいなんですが、 その頃は彼女30代前半で。 多分「伝える」ということを志して |
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大正まで生きた? | |
生きたと思います。生きたとしても60歳代だし。 あの人なんかいい身なりしてるんで(笑) きっとエエところを、エエ具合に利用してると思うんです(笑) 栄養も足りてるし、雨露をしのげる場所もあるし、 それなりに頑張って、教育者になったと思うんです。 里乃自身は不遇な過去を経て島原にいたので、 やっぱりその後起こる婦人運動とかしたんじゃないかな。 |
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あんな身なりが綺麗というということは、その後結婚した人が…… | |
結婚はしません。 | |
じゃあ、誰が? | |
勝海舟に取り入りました! 一同:爆笑 |
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それでメリケンに? | |
はい。山南さんが切腹したあと泣いて暮らし、新選組を見送り、 その間に太夫になってるでしょ。(注:そういう設定です) 太夫になった辺りで、勝海舟と出会ってると思うんです。 |
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山南さんが、勝海舟に? | |
いや、私の設定としては、 手をまわしたのは土方さんだと思ってるんです。 葵:おお〜やるねぇ 大浦:まあな で、きっと勝海舟と出会ってからは彼の力添えを得てメリケンへ行き、帰国し、 その頃には勝もオエライさんになっていたので、うまいこと利用していたと思います。 里乃って、絶対男性操るの巧いと思うねんな! |
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女学校の学園長とか? | |
自分が教えた生徒たち全員には必ず新選組のことを語って 「語り継いでいってね」って ネズミ講のように増やしてると思います。 |
後半に続きます