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大浦薫(土方歳三) インタビュー

−土方さんを演じるにあたって
2度目の「土方歳三」。
今回、土方に焦点をあててその生涯を閉じるまでを描く作品ですが、
この企画に出演が決定したとき、どんなことを思いましたか。
前の「真説」のときに演じた土方は「俺はやるぜ!」と、

江戸から京へ来て新選組を作り、大きくしてやるぜ!と……

勢い・野心に燃えて1番光っていた時期で……。

でもいろんな小説や作品を読んだ時に、この人の魅力を

新選組として京を出た以降に感じて、私はこの後半をやりたいな、と思い始めて。

その後もいろんな話を読んでるうちに、

やっぱりこの人の生き方って好きって思ってるそのときに「北天幻桜」の話がきて、

すごく嬉しかった。

演じる上では、新選組をぐーっと引っ張っているときの土方と、

それ以降の土方は後の人が語るように「母のようで」って。

違うものをやらないといけないんだろうな、というのはすごくあります。

どんなことがあって変化していったのかということを

自分なりに理解して演じないと後半だけをやっても出来ないだろうな、

と思ってとても難しいんですけど、やりたかった部分なのでとても嬉しいです。
土方を演じるにあたって、気をつけていることはありますか?
今回ね、あんまりそういうのはないですね。

心のままにやろう、と思って。

こういっちゃなんだが、台本も読み込むでもなく(笑)

初見で読んで、相手が言ってきた気持ちに感じたままをやっていきたいな、

と素直な気持ちで。
土方と自分との共通点はありますか?
共通点はね……あんまりないかなぁ(笑)

特に前半の土方さんには全然共通点は感じないんですけど、

後半の彼にはどことなく感じるな、というところもあります。
−求めている時に求めている役がきます
正念場の役ですか?
そうですね。「真説」のときも思いました。

中野さんの脚本の中には私が欲しかった答えや道筋があって、

いつも脚本を貰うたび、初見すると、私いつも泣いてしまうんです。

私の求めているものがここにある!って。
鉄の掟「局中法度」に1条足すとしたら、何ですか。
えー(笑)

全ての事が「士道に背く間じきこと」で片付くと思うので、1条にします(笑)

金策しても「士道に背いた」。刀傷受けても「士道に背いた」で!
法度に従って切腹します?
しません(笑)

刀傷受けても、隠し通します!

塗り薬ない?ってこそっと聞きます。
近藤さんについて
近藤さんはね……尊敬する存在。

新選組を作った時点で、自分の上に立っててくれる人というか、道しるべというか。

この人は必ずここにいてくれなあかん!というのが念頭にあるから

多摩のときのような友達同士ではない。
−他の役柄について
ヴィッちゃん土方にとって、沖田くんはどんな存在ですか
自分が1番表に出すことが出来なかった純粋な部分……かな。

(葵:ただのあほやけどな)

でも自分にもあほな部分があるけどそれは見せられなかったと思うので(笑)

明るさであったり、素直さであったり。

泣きたいときに泣き、笑いたいときに笑い。

そういう意味では羨ましい存在だったと思います。
明里(里乃)について
「真説」の中で出会った人なんだけど「北天幻桜」で考えるなら

「同じ痛みを分かち合った同士」みたいな存在。

自分も傷ついたのと同じくらいに明里も傷ついたんだろうな、と思えば……同士。

慰めあうでもなく、労わりあうわけでもなく、でも心の中で繋がっていて、

それでも生きていかなあかんな、私たち。みたいな。

(葵:ストーカーみたい)

ほっといてんか。私の勝手やろ。

(梦月:それで明里ストーカーしてるんですか)

そうそう。

「俺ら仲間やろ」「わかりあえてるやんな」って(笑)
今は亡き山南さんについて
士道の先生というか、鑑のような人。美しいまでの武士道。
「北天幻桜」で、好きなシーンはどのシーンですか。
理由を聞かれると困るのだが……「伊庭」。

(梦月:そうなん!?意外……)

うん。何故か「伊庭」。

ことココに至って、この状況にまできて、

ようやく出会った1番昔のピュアな部分を知っている人というか。

新選組っていう団体も忘れ、副長土方歳三ということも離れ、

一人の人間になって話が出来たから、あの場面すごい好き。

伊庭とでなければ有り得なかった、と今となっては思う。

それこそ中野マジックやね。

何故ここで伊庭を出さなければなかったのか。

きっと中野さんの企みやったと思う。

伊庭じゃなければならなかったんじゃないか、と思うぐらいに、

あそこで、あのタイミングで「伊庭と出会えてよかった」と。
仕事が絡むから「大鳥さん」はダメなんですね
……ごめんな(笑)ノーサンキュウ!

(大鳥さん役の葵さんが)いないから言えます。

(梦月:私は、伊庭は私以外の人がやればいいのに、と思う)

いや、なちさんの思い入れのある伊庭が(笑)

でも実際、目の前にいない伊庭を想像しながら演じるので、

誰が演じていようと完全に私の脳内劇場(笑)

こんな顔をして私を見ているはず、とか思えるから余計に楽しいのかな。
でも、同じ状況でも大鳥さんは?
ごめんな!(笑)

後半に続きます