NY滞在記 2006.8.17 The


最初は私が一人で残るつもりでしたが、

国内で準備中にそんなことをぽろっと言うと

延泊希望者が出てきて、総勢4名に。

さて、ここからは怒涛の公演期間を終えた私たちの

短い夏休みが始まります!

6:00 ホテル前

いよいよ帰国組を見送る時間が来ました。
まだ薄暗い朝靄の中、タクシーを停めてしばしの別れです。

「何かあったら連絡してね」 と言えないので(携帯がないので)
「……何かあったら、何とかして切り抜けてね」 と声をかけるしかありません。

まあ、何もないと思うのですが……やっぱり一緒でないからみんな心配。
一緒に残れたらよかったのに、と思っていても仕方ありません。
時間は迫ってくるし、タクシーは出発を待っています。

「ラガーディア空港まで」

と運ちゃんに行き先を告げて、出発したタクシーが見えなくなるまで見送りました。

「……いっちゃったね……」
「みんなでいたかったね」
「仕方ないね……」
「ねー……………」

「寝るか」

ごめんね、みんな。余韻に浸るまもなく、寝なおした私たちを許して。

11:30頃 Steps 見学

出発前まで寝ていた私は、誰が何時頃から起きて準備をしていたのかは知りませんが
朝ごはんにパンを食べ、大荷物をえっちらおっちらとロビーに降ろし、チェックアウトと
チェックインを済ませて、新しい部屋に行ってもいいよ、と教えてもらい、また荷物を運ぶ……。

重いねん。しんどいねん。(TлT)

7人でいたファミリースイーツよりはモチロン狭いけど、4人ならまあまあイケそうな部屋に
荷物を置いて、さあ出発だ!

最初はホテルの近くにある Steps というダンススクールの見学です。
かずきさんの要望で、レッスンを受けに行くため、まずはスケジュールと雰囲気の確認を……

なんなんでしょう。このレベルの高さ。

ダンサーの、ダンサーによる、ダンサーのためのスタジオ(しかもプロ)。

素晴らしい環境と、レベルの高さに慄きながら見学。
スケジュールをもらって、明日には来てレッスンを受けるゾ!と勇んでワクワクしながら退場しました。

 どれ受ける?と相談中〜。

12:00頃 グラウンド・ゼロ

地下鉄に乗って、全員の意見一致で「9.11」の惨劇の場となった、ワールドトレーディングセンター跡へ。
以前はセンターのど真ん中に地下鉄の駅があったのですが今は閉鎖されているため、
ひとつ手前で降りて歩いていきます。

 さあいくぞー(美香さん)

あー……なんかこの道見たことあるなー。と思っていたら、あの頃何度も放映されていたのですから
見覚えがあっても当然なんですよね。

5年の歳月が流れていますから道路も建物もキレイになっています。
ただ、そこに広い空き地があるだけで。

 9.11 惨劇の場所。

センターに近づくにつれて露天で絵や写真、本を売ってる人が多くなってきます。
ディスプレイされているのは全て、あの惨劇をモチーフにしたもの。

ちらりと見ながら通り過ぎただけだけど、その中で印象に残った写真がありました。
もしかしたらどこかで放映されていたのかもしれません。

 これはディスプレイされている鉄骨の十字架。

足元の瓦礫の山の下から、何かを探している消防士の背中。
そしてその手前には、むき出しになった鉄骨が、ちょうど十字架のように重なっていました。

崩れたビルから現れた十字架の向こうで、必死な背中の消防士。

  「消防士たちはもう、誰も生きてはいないとわかっていました。
   でも、彼らはそこで探すのを止めなかったのです。
   彼らが瓦礫の下に探していたのは、希望という名の何かでした」

……あとから聞いたエピソードです。

WTC跡は今、新しい建築を建てている途中で、あの夥しい献花や、不明者を探す写真などは
全て撤去されていました。(別の場所に移しているそうです)

建築中の策の向こう、ぽっかり開ける敷地の広大さに、あのビルが崩れた衝撃が見えました。
フェンスには、あの日の出来事が時間軸でパネル表示されています。
その向こうには、命を落とした2749名の名前がずらり。

 事件のあらまし。

 WTCの正面にある教会。リスがいた。

ここでは笑顔で騒いでいる人は誰もいませんでした。

じっと黙ってフェンスを掴み、長い時間をかけて中を見つめている人。
パネルを子供に説明する母親。
お互いに意見を言い合っている観光客。

それぞれが、確かな憤りを持ってそこに訪れている。そんな感じがしました。

パネル以外の全てが撤去された新しいフェンスに、
小さなカナダの国旗と、小さな花束が挿さっていました。
それを挿した人の想いと歴史を考えると、遣る瀬無い気持ちになります。

 何を想いますか。

決してアメリカはテロには屈しない。
うん。その宣言は正しいけども、でもやっぱり戦争はいかんよ。(持論)

昼過ぎ Tickets

少し重い気持ちのまま、タイムズスクウェアに戻ります。
目的は 「Tickets」 。
ブロードウェイミュージカルの当日券を、安価で売ってくれるブースがあるのです。

 いい席取れるといいな。in 地下鉄。

先日観た「オペラ座の怪人」の感動が忘れられず、もう1作!

というわけで、当日券ブースに並ぶ私たち。
狙うは 「美女と野獣」 です。

長い長い列を並び、なんと正規の半額で買えた 「美女と野獣」。

モチロン、座席の指定は出来ません。
買ったチケットを見てみると、二階席。うん?でも結構前なんじゃ……。
行って確認しよう!と希望を持ちつつ、次の目的地へ向かいました。

(トラベラーズチェックも使えます。是非ご利用を!)

 交差点ではこんなパフォーマも。
彼は有名な「ネイキッドアメリカン」……大丈夫なのか、これは。ありなのか。そうなのか。

14:00 ランチビュッフェ 中華

それよりもおなかがすいた!というわけで、ブラブラと途中目に入ったお店に飛び込みました。
中華料理のビュッフェスタイル。

総合した意見としましては、見た目と想像の味が裏切る食事、でした……。
中華なのにー。中華なのにー。

不味くはないけど美味しくもない。
「調味」したらあかんなー。と料理上手の美香さんと山妹さん、談。

ちなみに 「調理」 しただけの湯でカニが美味しかったらしく、山妹さん、大喜びでした。

16:00頃 エンパイアステートビル

 

空港並の手荷物チェックとボディチェックを経て、長い列を並び、
エンパイアステートビルを上りました。おのぼりさんの基本です。
エレベータを何台か乗り継いで上った86階。眼下に広がる景色はまさにニューヨーク!

あー。ニューヨークにいるんだ。ってしみじみ思いました。

  

  見渡す限りビル!川!以上!

 有名なでっかいゴリラが上った例の場所(笑)

ヴィッちゃんが、袴姿で上るって言ってたのにな……としみじみ。みんなーカムバーク。

ここでは各国語に対応した音声ガイドをレンタルしていたので借りてみました。
スイッチオンしてみると、意味もなくいい声をした(でも夜向きの声だ……)
おにーさんがガイドをしてくれます。(名前忘れた……)

彼自身と「友人のイタリア系移民のトニー」のエピソードを交えながらのガイドトーク。

……設定、細かすぎッ。

でもいちばん話のネタになっていたのは 「トニーのおじさん」(移民してきた人。
どうやらトニーは移民二世らしい)のエピソードでした。

会ったこともないトニーのおじさんの苦労話に詳しくなれるガイドテープ、お勧めです。
(いろんな意味で)
でも結構沢山のガイドをしてくれるので時間がある人は是非楽しんでください。
なお、

「最後は、さよならを言いたいのでお帰りの時には9番を押してください」

というのですが、アンタニューヨークで仕事何してんのさ。と突っ込んでしまった。
(ホストですか)

そうそう。
結局行くことはなかったけど、遠くに自由の女神も観れました。

 ←これ。

 実際はとても遠いです。(右端の2つの島の向こう側)
ちなみに、こっちの方向にはタイタニックが入港するはずだった桟橋があります。

自由の女神といえば、どこかのガイドメモに 「腰周り22mで貫禄も十分」 と書いてあり、
パーフェクトリバティの替わりに言いますけど、余計なお世話だと思います。

ちょうど夕暮れ時で、素敵なニューヨークを見下ろせました。

 
世界のどこにいても、夕日は沈み太陽は昇る。それが繰り返されて、今がある。

しかし、さっきのカニがあたったのか、山妹さん腹痛でリタイア。
もったいないー。

20:00 美女と野獣

先に下山(笑)した美香さん、山妹さんを追いかけて、もう一度タイムズスクウェアへ。
先ほど購入したチケットで、「美女と野獣」 を観るのです。

 「劇場で、魔法が起きる」 がキャッチコピー。

開演前ギリギリに到着した私とかずきさん。入り口でチケットを見せると、
場内案内の人が 「Good Seat!」 と笑顔。

なんと! 2階席ド真ん中で、ものすごいベストポジション!
真後ろは通路で、イライラする他人もいません!

(「オペラ座〜」のとき、後ろに座っていたお客様がすっごいマナー悪くて
 全員でずーっとイライラ怒っていました)

 真正面から観れます。緞帳もセンターよ!

これが半額料金で買えたなんてー! と合流した美香さんたちと大喜びでした。

さて、「美女と野獣」。

私個人としましてはとても好きな作品なのですが、まさか泣くほどすごいとは!
ブロードウェイ、すごい。すごすぎる。

ディズニープリンセスにも列挙するくらいの、いわゆる 「お姫様」 なお話なのに
まあ、ホントにすごいんですよ。すみません、それしか言えなくて。

全員がもう、そのまんまアニメから抜け出てきたような、それ以上のキャラクタで
ぐいぐいと魅せてくれます。

私 「野獣は王子に戻らない方が良かった」 派だったんですけど、今回初めて
「王子でもいい!」 と思いました。カッコいい!

なんと、恐らくオリジナルの聞いたことのないミュージカルナンバーも入っていて
それが欲しくてCD買ったけど入ってなかったYO!(泣)

今までの私の観念を変えてくれる 「美女と野獣」 でした。

 劇場内はとても美しい。野獣の城でしょうか。

 ガストン最高!    ルミエールが素敵!

   私たち、ものすごく嬉しそう……!

役者さんの出待ちがすごかった!誰を待っているのかと思っていたらルミエール役の彼でした!
ものすごくファンを大切にして、一人一人にサインと写真と挨拶をしていました。

あー。あれもこれも観たかった。日本未公開の 「ターザン」 なんてすごそう!
いつか、ブロードウェイばかり観る旅に来たいと思います。絶対に!

23:00 オープンカフェ

興奮と余韻さめやらぬままホテルに戻り、部屋に上がる前にホテルの横手にある
オープンカフェへ。

カフェ……というよりはPIZZA屋さんかな。ビールからパフェまでなんでもござれ、でした。

出てくる料理がまた、でっかいねん……。

私は頼んだものを半分食べきれず、お持ち帰りしました。明日の糧にしたいと思います。

 かぶりつけ!  PIZZAです。

 本場のNYチーズケーキ!  いただきます!