2006.8.14 Mon
前夜の深夜(というよりは明け方)までのディスカッションを終えて、本日月曜日は中休みの日です。 劇場が月曜休業なので、Fringe Festivalもお休み。私たちもお休み。 そうなのです。 ニューヨークに到着して3日目にして、ようやく私たちにも休暇が!!!!! ゆっくりめの午前を過ごして、さていざゆかん!おのぼりさんたち! |
11:00AM Times Square |
ニューヨークといえばココでしょう。タイムズスクエア。
恐らく、世界で一番有名な交差点ではないでしょうか。
1904年、当時はニューヨーク・タイムズの本社があったことから、タイムズスクエアと名前が付いたこの通り。
中州のような形で変形交差点です。
(本社ビルは1913年に移転しているので今はありません)
地下鉄から上がると、そこはいつか見た場所!
「おおおおおおおおおお。見たことあるよ、ここ、映画とかテレビとかニュースとか雑誌とかで!!!!!」
この地区には建物外壁のビルボードの設置が多く、
各種広告やメディアによるディスプレイが盛んになされている。
そのネオンサインの数は、世界第1位とも言われる。 (Wikipeda)
確かに。ニューヨークらしい建て増しの新旧異型なビルのいたるところに、ビルボードの数々。
映像、ネオン、パネル、あらゆる方法を駆使して、どれもこれも目を引くものばかりです。
ナスダックのうねうねサインも見逃せません。
まるっきりのおのぼりさんよろしく写真を撮り、はしゃぐ私たち。
お休みも1日限りと思えばこその観光です。
浮かれすぎ。
そして何故かトイザラスに入る一同。何故だ。
トイザラス |
「いらっしゃいませ。つれて帰って」
まあ、その理由は、店内にどどん!とある観覧車に惹かれたからにほかなりません。
店内に観覧車。
私たちの背景に映っているのが観覧車の梁の一部。
どうも乗車は無料のようです。子供づれの親御さんが乗り込み、外から店員がハイチーズ。
写真撮影は有料のようですが、観覧車にはいろんなキャラクタや車、ぬいぐるみがデザインされて楽しげな感じ。
しかし、この観覧車の思わぬ注目点は別にあったのです。
速いんです。
超高速で回転する観覧車なのです。
地下1階から2階部分まで店内吹き抜け部分の大きさの観覧車。
子供を乗せて動き出したら、その回転の速いこと!
「……よ、酔わないのかしら」
と思うくらい、ぐるんぐるん、と遠慮もなく振りまわれるような観覧車。
こんな速かったらすぐに終わるやん、と思うのが素人です。
止 ま り ま せ ん 。
何回転もします。私が見ていただけでも、5回転以上はしていました。
はしゃぐ子供。微笑む両親。カメラを向ける店員。
あまりに平和な光景です。その高速さえなければ……。
アメリカはどこまでもスケールがビッグです。(そういうもんか)
おみやげ物 |
ストリートに戻った私たちの前に現れたのは、これでもかこれでもか、
とばかりに続くおみやげ物屋さんの列でした。
最初のお店にふらりと入って、めぼしいものを買ってしまった私たち。
NYに来れなかったじいにもお土産を買いました。
隣のお店では、そのどれもこれもがもっと安かった。ガビン。
定番の 「I (はあと) NYC」 のTシャツも、3枚$10だ、やすーい。と思って買ったら、
数軒向こうでは6枚$10でした。なんだそれー!
しかし、品質は良くないです。タグが千切れていたり、色が落ちてたり、肩線折れてたり。
マシそうなのを物色しては、お土産を買い漁る私たちなのでした。
次どこいく?(「あんたら買いすぎ」 by左の人)
延長コードと電池 |
昨夜のミーティングで問題になったのは、「明かり」でした。
舞台照明ではなく、役者が暗い舞台袖に居るときに着替えたり小道具を取ったりするときに必要な
「足元明かり」と呼ばれるモノです。
日本から持ってきたものは勿論あるのですが、劇場が意外と広かったのと、スタッフブースにおいて
もっと必要だ!ということになり電池を大量に、そして延長コードが必要だということになったのです。
探せばもっとあったと思うのですが、あまり時間のないタイトな1日。
タイムズスクエアは世界の観光地でもあるため、電器関係は観光客相手の高い値段になっているのです。
延長コード、なんと$25!(20feetと長く、安全カバーが付いているものの……)
しかし、背に腹は変えられない……でも高い。日本じゃ1000円以内で売っているようなものを
3000円も出して買うなんて、私のこの大阪なにわの商人根性が許さない!
でもでも、もうお店を探している時間もない。
ああッ! このまま買うしかないのか……。
逡巡していた私を見て、こいつはカモだと思われたのでしょうか。
つたない日本語で「買え、買え」と押しつける店員相手に、ちょっとキレた私。
「もうええわ」
と踵を返すと、値段交渉開始。相手からディスカウントを申しださせればしめたもん!
結局$15でお買い上げました。
それにしても最後まで悩まされたのが電池です。アメリカの電池の質の悪いこと!
長持ちしない。すぐに消える。そもそも付かない!!!!! ありえない!
そして電池がやたら高い!
「(単4電池4本入りで)$15です」
「はあああ?! 買えるか、そんなもん!
昨日、日用品店(通りがかり。もう行けない)で$3で買ったのよ!」
と啖呵を切って店を出る私を、かずきさんが尊敬のまなこで見つめていました。
感激するポイントが違うと思いませんか。
……最終的に振り返れば、電源から取れるコンセント照明を買えばよかった、と思いました。
教訓:アメリカで電池は買うな。
THE PHANTOM OF THE OPERA |
買い物を済ませ、一度ホテルに戻った私たちはおもむろにドレスアップを開始。
そうです。今回唯一(?)のお楽しみ、「THE PHANTOM OF THE OPERA」観劇なのです。
各自、劇場に行くに相応しい格好で!ということでドレスアップ。
気付けば黒い軍団の出来上がり。
(とっくんさんが水色、ヴィッちゃんが白。それ以外は黒でした)
個人的な趣味もあり、黒軍団はややゴス寄りな衣装。
Subwayに乗って移動すると、なんとなく視線……
……ダメですか。日本感覚の「余所行き」7人は目立ちますか。
もう一度タイムズスクエアに戻り、今度はブロードウェイへ。
「THE PHANTOM OF THE OPERA」が上演されている劇場へ。
憧れのブロードウェイへ!!!!!
後ろに見えている看板のところが劇場です。
1988年1月26日にオープンして以来、18年。
今やブロードウェイのロングラン新記録を着々と延ばしている作品です。
「19世紀末のパリ、オペラ座(オペラ・ガルニエ)が舞台。 パリのオペラ座の地下に住み、劇場関係者から恐れられている怪人と、 怪人に歌手としての素質を見いだされレッスンを受けるコーラスガールのクリスティーヌ・ダーエと、 その幼なじみで新たにオペラ座の後援者となったラウル子爵の3人を巡る三角関係のストーリー。 ルルーの原作の雑多なストーリーを刈り込み、登場人物を絞り込んで、 怪奇ものでありながら怪人を中心としたラブ・ロマンスに焦点を当てている。 |
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アンドリュー・ロイド・ウェバーによる流麗な音楽、豪華な舞台衣装や美術、 鮮やかな舞台転換などが多くのファンを引きつけている。 ロイド=ウェバーが、当時ミュージカル俳優としては無名だった妻サラ・ブライトマン(現在は離婚)を、 ニューヨークブロードウェイの俳優協会の反発を押し切って主役に抜擢。 彼女を世界のトップスターに押し上げた作品でもあり、ラスト近く、 クリスティーヌが指輪をファントムに返しに戻るシーンなど、全編ブライトマンへのオマージュにあふれている。」 (Wikipedia) |
引用も不要なくらいに有名な作品ですから、
(もちろん英語上演なので、有名なのを選びました)これ以上の説明は不要でしょう。
私個人としましては、サラ・ブライトマンの歌う至上のオペラ座の怪人がマイベストヒッツなので、期待。
東京の劇団●季を観に行って、罵詈雑言帰ってきたことのあるかずきさん、
ヴィッちゃん、美香さん、姐さん、やま妹さんは「もっともっと素敵な作品のはず!」と期待。
ミュージカルを見るのは人生で2度目くらい。オペラ座の怪人はあらすじくらいは知ってる、
というとっくんさんも、初オペラ座の怪人に期待。
劇場な入り口から、もう雰囲気ばっちりな、まさに「オペラ座」。
座席も1階の良い席で、全員の期待も否応なしに高まります。舞台上に設置された冒頭シーンのセット。
ああ、今から始まるのね! 本場で観れるのね!
それぞれの想いを秘めて、幕は上がりました。
冒頭のオークションシーン。豪奢なシャンデリアのシーン。
そうよ、これよ、これなのよおおおおおおおおおおおおおお!と大興奮!
……これで寒くなければね!(ガクガクブルブル)
アメリカの人たちは寒くないんでしょうか。幕間、そのあまりの圧倒的なステージに感激しつつ浸りつつ、
私とかずきさんは賞賛を口にしながら寒さに震えて、劇場内バーまでホットドリンク飲みに走りました。
長い長いストーリはやがて幕を閉じ、スタンディングオベーションを得て熱気のある劇場は日常に戻り……。
そうして、あまりの感動に泣き崩れる私たち。
これなのです。胸を打ち、たまらなく切なく、愛しおしいまでの狂気と愛情。
全員の「ラウルさえいなければ……」というファントム派の感想を改めて強くしつつ(笑)
もう二度と劇団●季のオペラ座なんて観れない、という決意を新たにしました。
「すごいらしい」というコピーの●季のオペラ座が好きな人にはごめんなさい。
でもね。でもね。
もう、全然違うんです。比較にならないくらいに違うのです。
それはもう、ほんとうに、問題にならないんですよ。
11:00AM Times Square |
言葉を失い、言葉の壁を越えて、心にざくざくと突き刺さる感情の塊。
裏づけされた実力と絶対的な歌唱力と、隅々まで計算された舞台の作り。
その一つ一つ、役者の一人一人の徹底的なパワーが、もう、根本から違うんです。
「すごいらしい」じゃないんです。「すごい」んです。
一気に私たちをとりこにした舞台。
そう、舞台とはこう在るべきなのでしょう。
さすがはショウビズの本場、ブロードウェイ。
この街と数多い劇場と作品たちの持つパワーときたら、並大抵のものではありません。
さくらさくらカンパニーだって、負けてはいられない!
観る人全てに、こんな感動とパワーを与えたい。それが出来るのが「舞台」なのだ、と。
改めて思い知った、至極の時間なのでした。
夜のタイムズ・スクエアに新たな熱意。
明日から4ステージ。頑張る。頑張るでえええええええ!!!!!!!!!