Written by Dr.ジザベル@徳永真理子

夜休憩を取った場所から車で10分ほどのところにある公園へ移動。
なんていう公園なのか知らない。
とりあえず名前なんてどうだっていい。
日が暮れてさらに気温は下がり、極寒というコトバしか思いつかない自分がもどかしい。
歯の根は合わないし、足の指先は痛いし、体中の関節の中にまで染み入るような冷たい空気。

時間は夜8時半ごろ。
決して遅い時間ではないが、早朝から今までがあっという間に過ぎてきたので
「今日も残りあとわずか…今日中に終わるんだろうか…」という不安がふとよぎる。

体感気温は氷点下。足元の土の下にマンモスが眠っていそうだ。
実際の外気もきっと相当に氷河期温度だったと思う。

そんな永久凍土な公園で何を撮るのかと言えば、血の流れるシーンだ。
ぼたぼたぼたたッと血の流れるシーンを撮るのだ。
これ、絶対必要なカットなので、どんなことがあってもこれを撮影せずには終われない。
どろりさらりとビーカーの中に溶かされた血のりが、夜の公園の外灯の下で照らされる。

血のりをだらだら流すのはカインのかずきさん。
緻密にカメラを向ける監督。
冷静にサポートするK女史。
的確な判断でレフ版をあてるM氏。
血のりを持ってスタンバイする梦月さん。
血のりが衣装につかないように雑巾をわしづかみにしている美乃ちゃんと私。

キャスト、スタッフ合わせて総勢9名。
このオトナたちがわきめも振らず、一心不乱に血がうまく流れるかどうか実験しているのだ。
黒魔術の集会とか、UFO呼んでますサークルのメンバーだと思われても仕方ない。

幾度かテストをしてからいざ本番。
一瞬に賭ける集中力はさすがで、その瞬間だけは熱意が足元を溶かしていました。
気合いで?意外にも早く撮影は終了、「ホントにこれでおしまい…?」と疑ったほどでした。

撮影後、血のりは少し離れた木の根元に捨てに行きました。
さらさらと、そしてドロドロと流れていく血のり。
水を足して、コップをゆすいで洗って、それも地面に流す。
明日の朝、ジョギングでここを通りかかった人はきっと驚くに違いない。
しかも、コップについた血のりをふきふきしたウェットティッシュも、何枚か近くのゴミ箱に捨ててきたので、
かなり犯罪っぽい。
真っ赤に染まったティッシュがゴミ箱に何枚も捨ててあったら、そしてその近くの地面が赤かったらと、
誰かがビックリしている様を思い浮かべてエヘヘっと想像笑い。

こうしている間にも夜の冷気は体を締め付けるようで、高さ4、50センチしかないブロック塀が
またげないぐらい、体が固まっていました。

車のところに戻ってきたら、梦月さんがみんなにホットドリンクを買ってきてくれていて、
その温かさに少しだけ血流を取り戻し、ようやく撮影アップを実感!
「おっつかれさまでした〜っ!」(^o^)/ と全員で歯をガチガチ言わせながら解散しました。
そのあと車で事務所に戻り、荷物を仕分けし、キャスト陣の解散は11時を回っていたかと思います。

…これ、いろいろとすごい貴重な体験でした。
みんなと一緒なら八甲田山も超えられる!って感じでしょうか(^^;)?

お疲れさまでしたっ!!