Written by ミケイラ@梦月楓

世の中の多くの人は、幸せな節分を過ごしたことでしょう。
そんな世間の風習を嘲笑うかのように、夜中にぞろぞろとさくら事務所へ集う
怪しい大荷物の集団。

そう。明日はドラマの撮影日。

事務所からチャリ3分の距離に住んでいるドクター(徳永)を除いた
全員が事務所に前泊しました。
メイク道具、衣装、その他諸々の道具を持ち込んで、
割と広いはずの事務所は一気に雑多とした空気に……ッ!
布団一式を持ち込んだリフ(大浦)はまるで夜逃げのようだし、
風邪をひいてボロボロの私はまるで病院からの脱走者のようです。

私、今回は演出を兼ねていますので、絵コンテを切ってこの撮影に
臨んだわけですが、やはりそれはイマジネーションと二次元の素材が
三次元のリアルなモノになると、想像もつかないコトになるのでは、と
一抹の不安を抱きつつ。
けれど、信頼できる優秀なクルーさんたちと、負けずプロ根性を持った
役者陣が揃っているわけですから、きっときっと大丈夫だろう、と
半ば確信していたのでした。

夜から雪が降っていて、明日はなんと大寒波が来るらしい。
何故よりにもよって撮影の日に……ッ!と思いながらも、
寒いならそれはそれで乗り越えてみせるわ!と決意も新たに風呂に
入っていると、いつの間にか湯船に沈みかけたくらいには眠かったようです。

お風呂出たら誰も事務所におらず、2階居室部分で全員寝てました。
うぬうう。

私、そういうわけで風呂場で沈んで溺死しかけて余計な時間を過ごし、
翌早朝に合鍵で事務所に分け入ったドクター(徳永)が、
「やっぱりまだ寝てるのか!!!!!!!」と殴りこんでくるまで
約2時間の睡眠を勝ち取ったのでした。

早朝からゴシックなメイクに取り組むメンバー一同。

か な り コ ア 。

しかし、私(ミケイラ)と恵ちゃん(百瀬:マリーウェザー)はまだ
「ゴスなメイクってどうよ」
と言い合えるものです。カイン(葵)にも、演出の私が叫びます。
「もっと目元に眼ヂカラを」と。

何気にちょっと距離を感じる、リフとオスカーとドクター。
ぱっと見、彼らが一番マトモ。
「……ふつーに出勤前だね」
「うん、おとーちゃんとおにーちゃんだね」
「休日出勤だね……」

不思議な光景です。

このメンバで今日1日、強行軍が始まるのです。
極寒で幻惑の1日、はじまり、はじまり。
多くの人は