「ゴージャス! KANOH姉妹がゆく! 〜MATUKENサンバが踊れない〜」 の

先行Webドラマ 「Coming Soon ゴージャス!」 の撮影が行われました。

撮影風景のレポートを、お届けします。

 ドラマ配信は、5月1日から、毎月1日、1話ずつ計3話配信です。


撮影日記(午前編) 大浦 薫

4月10日AM5:00
目覚まし時計のベルが鳴る。4人がうつろな顔で起き出す。まだ夜の明けぬ外へ荷物を運び出す4人。
・・・不審だ・・・。特に頭にカーラー付けたままで出てきた○○、前髪が庇のように跳ねている××・・・ゴージャスには程遠い(涙)。
新聞配達のお嬢さんのみが目撃者だ。

AM7:00
メイクを済ませ、衣装を着て、某マンションより4人の怪しい人影が人目を避けるように車に乗り込む。
おおっ!ゴージャスだ・・・。



AM8:00
梅田の歓楽街で車を降り立つゴージャスな4人。休日の朝の歓楽街は人影もまばらに、適度にうらぶれている。



AM8:30
ネオンの消えた歓楽街を、走るケン(葵)。酔っ払った朝帰りの男女が、怪しいものを見るように振り返っていく。
大阪人は芸能人に飢えているようだ。ケンの顔を覗き込んでは去っていく(甘いよ、あんたたち)。
時間が経つほどに人通りは増えていく。駅前の大通りをひた走るケン。
通行人たちは、自分達も気付かぬままに飛び入りエキストラだ。ケンに横をすり抜けられ「何事?」と振り向く。
「いいっ!!!あんたたち、いい演技だ!!!」と通行人に絶賛を浴びせる傍観者マツ(大浦)と撮影スタッフ。

 ←助監督のマツダ氏

AM10:00
某スタジオに入るゴージャスな4人。屋内での撮影はバーカウンターからだ。
セットの中に小道具として並べられる酒の数々。おぉーっ、高そうだ!だがよく見るとかなりありえない酒まで並んでいる。
まぁ、ご愛嬌というやつだ。ウェブドラマでどこまで確認できるか分からないが、ダウトを探していただきたい。
華麗な指さばきでキーボードを打ち込むミコ(梦月)、グラスを揺らしながら長い睫を伏せるキョウカ(徳永)。
な・な・なんてビューティフル!!

  

PM0:00
続いては、マツ(葵)とケン(大浦)の場面だ。交わす視線、たばこの煙と酒の匂い。・・・男のロマンだ・・・。
ギャラリーたちの何かを期待しているような視線には気付かぬ振りで、快調に撮影は進む。
まさか「ヒロシ」に似ていると爆笑されていたとは、本人(誰?)には知らせるまい。

PM2:00
時間が経つにつれ、自分達がゴージャスであることに麻痺していく4人。もう人目も気にならない。
梅田での撮影は終了だ。車に乗り込み、次の目的地へ移動だぜー!!


撮影日記(午後編) 葵かずき

朝からの分はヴィッちゃんが書いてるらしいので昼からの撮影の様子を暴露しま〜す!
ケンの「先輩探して三千里!」街中ロケが終り、汗だく化粧ハゲハゲの私……
刑事ドラマの新米刑事の気分でした。

終了後、KANOH姉妹のお姉さま方(徳永、梦月)と合流し、次の撮影現場は洒落たバーの設定。
大阪市内のとある店を借りて撮影再開。今度はKANOH姉妹のシーンです。
「お姉さま、事件ですわ!」のセリフでドアを開けるミコ役のなちさん(梦月)のシーン…
演技の問題ではなく、ドラマの場合、カメラのセンターに入らなくてはならないので
立ち位置が少し変わっただけでもNGになったりする。
午前中の街ロケでも私の走ってるシーンで何度もNG出しました、すみません!!
「もう少し右に入って!」「もう少し前!」と監督の指示…むずかしい。
次々と二人のシーンが撮影されていく。演技についても松田助監督から細かい指示が出る。
「KANOH姉妹なんだからもっと余裕のある話し方をしてください」「そこで目線を上げて
みましょうか」…と一つ一つのシーンに実に丁寧な指示を出してくださる。
ついていく役者陣を大変だけど回を重ねるごとに皆、いい演技になっていると思った。
なちさん(梦月)もとっくんさん(徳永)もどんどん役に入っていく。
松田助監さんの役者をうまくのせていくプロの仕事を見た気がした。

 

続いて、マツ役のヴィッちゃん(大浦)のこの日初めての撮り。実際の映像ではもっと早くに
ヴィッちゃんは登場するのですが舞台と違い、映像では同じ場所での撮影場面を集めてバラバラに
撮っていくので役者陣はテンション維持が大変だ。
バーのカウンターでマツとケンが語るシーン。
TAKE1…松田助監督の声が飛ぶ。「二人の演技が同じなんですよ。役の性格をはっきり出して
下さい」あぁ…やっぱり似ているのか。「さくらのごとく」の稽古でもよく言われたけど。
私は男前ヴィッちゃんと似た芝居といわれて悪い気はしないが、ヴィッちゃんには迷惑な話だよ。
TAKE4位までやり直してやっとOKが出た。はぁ〜〜、ごめんなヴィッちゃん。私へたくそで。

 ← 監督の小柴氏

続いて「第2話」のアブない二人のシーン。後日、このシーンの映像を見せてもらったのだけど
かゆ〜〜〜いぃ!!!煙草を出すマツ、ライターで火をつけてやるケン…かっこいいのか?
どうかわからんけど…とにかく「かゆさ度」3 くらい。
続いて「僕を置いて行かないで…」ウソ泣き丸出しのかずき…だめじゃん!!
「お前なら大丈夫さ」と肩を抱くヴィッちゃん、かっこいいよ〜〜。
しかし!!かゆ〜〜〜い!!!「かゆさ度」10 くらいは行ってるぞ!!
やっぱりTAKE4あたりまで撮り直してやっとOK。
ああ、かゆかった…というかサマになってるヴィッちゃんに比べ、ホンマに下手やな私。

ここで店のシーンは終了し次のロケ現場は「ビルの屋上」へ。
撮影班と役者班に分かれて移動開始。
この頃にはお手伝いとして来てくれたR嬢、恵ちゃんに加え
Naokoさんがお昼ご飯とコーヒーゼリーをもって合流して下さった。
はぁ、お腹空いた〜〜!

 

次のロケ現場のビル内でお昼休憩をとりおにぎりとコーヒーゼリーと
じいの差し入れパンを食べて(食べ過ぎ?)撮影再開!!
何しろ一日で3話分全てを撮りきる予定なので、休憩もゆっくりとはとっていられない。
現場の屋上へ行く。天気が心配されていたけど、皆の念?が届いたのか快晴!気持ちいぃ!
回想シーンの為、衣装を替えたヴィッちゃんと私のシーン。
正面と右からと左側から同じシーンを撮る。助監さんの指示「次は右から撮るので
さっきと同じ演技をしてください」…さっきって?どんな事していたっけ??
違う事をやっていると、後からの編集でつながらなくなるのだ。
舞台で気持ちの流れのままに演技している私達にとって「さっきと同じ事」と言うのは
かなり厳しかった。映像と舞台の違いは沢山あるなぁ。

 

ヴィッちゃんと私のシーンが終り、次はKANOH姉妹登場のシーン。
振り向くと待ち時間に化粧を入念にやり直して明らかに顔がグレードアップした
二人のお姉さまがいた。なちさんは胸の谷間をつけるべくシャドウまで入れていた。
どんなに真面目に演技しても二人が並ぶと笑いがこみ上げてくる。
だって、ビルの屋上にゴージャスなドレスを来た場違いなKANOH姉妹…なんて
UFOから降り立った宇宙人みたいに違和感があるんだもん!!
ここでも二人の立ち位置や角度に細かい指示が出る。
演技にも注文が来る。小柴監督もカットがかかると「何かもう一つやね…」とOKを出さない。
そして二人のお姉さまはどんどん磨かれていき、夕方頃にはすっかり「お姉さま」「ミコさん」と
呼び合うようになっていた。全く違和感がなくなっているのが恐ろしかったです…。
公演稽古が始まったらずっとこの調子なんだろうな…

 

撮影は丁寧に順調に進み、夕焼けのシーンへ突入。いい感じに暮れてきた。
屋上の階段に立つキョーカお姉さま(徳永)の夕陽を受けたシルエット…峰不二子みたいだ。
きれいだ〜〜、普段焼き鳥を食べながら阪神タイガースを応援している人には見えないです。



屋上でのシーンを撮り終えて、現場は夜の街頭へ…。
この頃には私自身も羞恥心がなくなり(疲れていたんです!!)黒のスーツで普通に街を歩いて
いました。街頭でのセリフももうアタマが麻痺してるから怖くないもん!
暮れかける街を歩くシーンが終わりもどる間に助監の松田さんが「夕方のこの時間が一番きれいに
撮影できる時間なんですよ。」と言っていた。「早く撮りましょう!!」と気合の私(^^)
暮れかけの街角でのロケを終え、次の現場は最もプレッシャーのダンスシーンの撮影…
ペンキで絵の描いてあるコンクリートの壁に包まれた一角へ向かう。
ダンスの振り覚えの悪い上に方向音痴の私はもっともこのシーンが心配だったのです…。
あぅぅ〜〜〜…やっぱりやってしまいました…。

そして、この後も夜の12時まで撮影は続きました。
夜の撮影日記はキョーカお姉さま(徳永)の担当らしいです。
詳しくはそちらを参照ください、とほほ。


撮影日記(夜編)  徳永真理子

今日の最終撮影場所である、PH(撮影場所の略称)に着いたのは、
撮影1カット目が撮影され始めた朝の8時からちょうど12時間後だった。



ここは内部の壁はコンクリート打ちっぱなしだが、壁は全部、派手なペインティングで
埋め尽くされていて、入口を入って右手にはこじゃれたカフェスペースがある。
異国情緒あふれる、というよりどこなのかわからない不思議空間だ。
この摩訶不思議なペインティングの壁面をバックにまずは、かずきさんとヴィッちゃんさんの
ダンスシーンを撮影だ。

 

ダンスは全部で3つ(なのに稽古はたった2回!)、それぞれ息を合わせて踊らなければならない
だけに、もしやこれは結構NGが出るのか…?と思ったのですが、もともとハイレベルな二人。
私が、カフェスペースでの飲食費の会計確認とメイク直しをしている間に終わっていました。
…すごい。

そして、PHの前の道路。ここがいいのですよ。
まるで香港か上海の裏通りの倉庫街のような雰囲気で、以前なちさんと来て一目で気に入り、
「ここいいよね!ここで撮影したいよね!!」と去年の夏から切望し、念願かなって今回、
この場所での撮影が組み込まれたのに、ここで私となちさんの撮影はない。
がっかり(- -)。

しかしホントにこの場所、雰囲気がいい、このままずっと残ってほしい。
だが、ひとつここで申し添えておく。
香港や上海の裏通りの雰囲気、それはつまりダークでブラックでアンダーグラウンドで
「決してひとりで歩いてはいけません」ということだ。

撮影にはとてもとてもいい場所なのだが………(--;;)。

この、とてもとてもいい場所でダンスに続き、かずきさんの全力疾走シーンを撮る。
「せっかくだし1回ぐらい車輌撮影したいよね♪」とノリノリな撮影スタッフさんが提案し、
監督はじめ他のスタッフさんも「そうだよねえ^^」と賛成し、車輌撮影で撮る事になった。

かずきさんは別の場所でも走るシーンを撮影している(しかも朝イチ)。
昼間は陽の照りつける屋上での撮影があったし、ここでまた体を張っての撮影。
「ドラマでよく新米刑事が全力疾走してるけど、あれってやっぱり大変だったんだね〜。
しんどいよ〜(**)」と筋肉と体力の限界に挑むこととなった。

さて、「足、痛いー(T_T)ふだん5センチ以上のヒールなんて履かないもん」と
待ち時間に運動靴に履き替えた、KANOH姉妹のなちさんと私。
超スリットの入った真っ赤なドレスのなちさんと、黒のロングドレスの私がべったべったと
歩いている様はなんとも不恰好で、みんなから「それヘン〜」と笑われるも、
ヒールのない靴の快適さに「はあ〜足がラク〜」とほっとしながら撮影隊についていく。

車輌撮影の間、かずきさんと撮影スタッフ以外はちょっと離れた場所で待機。
低速で走る撮影車を追いかけて、だだだだだと走っているのがちょっとだけ見えた。
何度も走ったかずきさんはへろへろで、でも疲れすぎてアドレナリンが出まくっているのか、
しんどいーと言いながら笑ってましたっけ。

そして、ヴィッちゃんさんとかずきさんの○○シーンなんかも撮って(ナイショ〜)、
最後の最後、私となちさんとかずきさんの短いシーンをPH前の壁の所で撮って終了。
ちなみに、たまたま持ってきていたミンクのコートを待ち時間に着ていたら
「最後だし、それ着て撮ろう」ということになったので、私がコートを着ているカット、
それが最後の最後に撮影されたシーンということになります。
わかるかな〜(^^)。

「はい、OK〜♪」という声が響くと、「うぉおー、終わったぁー」「お疲れさまぁー」と
そこらじゅうから雄たけびにも似た声が聞こえた。
日付が変わらないうちに終わってよかったと思ったのを覚えているから、
11時を過ぎたころだったかと思う。

15時間に及んだ撮影はついに終わり放心、呆然。
でも監督&スタッフさんは疲れも見せず、「じゃあ」と夜の中に消えていった。
私たちキャストは綿のようになった体をひきずって帰宅。
クレンジングするも、何度も塗り重ねたマスカラは落ちず、半落ちで断念。

Webドラマ撮影という初体験を終えて、興奮冷めやらぬ夜。
といきたかったですが、メイク落とし半分で泥のように眠ってしまいました。
脚はむくむし、足の裏は痛いし、夕方の屋上は寒いし、と過酷でしたが、でも楽しかった。
こんな楽しいことならまたやってみたいと、本当思いました。

お疲れさまでした〜!