弘法市みてある記 前編 2004.01.21
弘法市に行った。毎月21日に京都の東寺境内で行われている巨大フリマだ。
一般のフリマと違うのは、出店者が全て業者であるということだ。
京都のありとあらゆる業種のお店が所狭しと境内に軒を連ねている。
最寄り駅から東寺までの道は人の波で埋めつくされ、牛歩でしか進めなかった。
今回の私の目的は、舞台で使う帯を探すことだ。
前回「さくらのごとく」で使ったカーキ色の帯は貫禄があり、なかなかに良い帯なのだが
太いために締めにくいという欠点?があって、もう少しだけ細い帯があればなあと思っていた。
そんな私に「弘法市に行きませんか?食器、好きですよね?弘法市で食器を見て狂喜している
山南さんを見てみたいんです♪」と葵さんが声をかけてきた。
そう、私は食器が好きだ。眺めて良し、並べて良し、使って良し、買って良し。
我が家は二人暮らしなのに、食器が山のようにある。食器フェチかも。
何度かうちに遊びに来たことのある葵さんには、その食器の山を見られているのだ。
食器と帯のために有休を取り、朝っぱらから大阪からはるばるやってきたのだが、
肝心の葵さんは数日前からの風邪が治らないらしく「午後からい゛き゛ま゛す゛…」と
死にそうなメールを送ってきた。
午後に現地で合流することにし、とりあえず1人で見て回ることにする。
初めて来たので、どこから見て回ればいいのかわからず少々戸惑うが、時間はあるので
人の流れにのまれて回ってみることにする。どこだかテレビ局が取材に来ていた。
……しかし………。どうみてもガラクタにしか見えないガラス瓶や錆びたブリキのおもちゃ。
どこで拾ってきてん、というぐらい色あせた服の人形。
こんなのを売る方も売る方だが、買う人の顔をぜひ見てみたいと思わずにいられない。
心の中でツッコミを入れながらいろんな店を回っていると、食器屋さんを見つけてしまった。
「どれでも3個1000円やでー」とお兄さんが威勢よく声をあげている。
白い無地のコーヒーカップや五寸皿、スープ皿など、シンプルで大きさもちょうどいい感じ。
「うわぁ〜かわいい〜」と心の中で奇声を発しながら、物色。
食器を前にヘラヘラしているところを葵さんに見られなくて良かったあ(^^;)。
スープカップとパスタ皿を3つずつ買おー♪、と手にとってみたものの、
「……最近、こーゆーのって100円ショップで売ってんだよねー……」と冷静になってしまった。
でも、せっかくだし買っちゃうか。でも、もしかしたら他にもっと掘り出し物があるかも…。
いろいろ考え、結局、買わずに店を後にする。
その後、着物屋さんがたくさん集まっているエリアで帯を探すが、ない。
誰がこんなの買うんだろうと思うぐらい立派なお値段のものはあった。
小腹が空いたので、練り物の海老天ぷらを買って食べる。200円。美味い。
もっちりとしていてかなりの食べ応えがあった。晩飯用にも買っておけばよかった(-_-)。
他にもなんか食べようかな〜と物色していると葵さんから無情にも電話が入った。
今、東寺の入口なんで、真ん中ぐらいまで来たらもう1回かけますね〜とか言っている。
人ごみで電話が聞こえにくかった事もあり、はいわかりましたとナマ返事をして切ってしまった。
真ん中ってどこよ………(-_-;)。
つづく