山南日記 2004.01.25

寒い。めちゃめちゃ寒い。

今朝、稽古場でストレッチをしていたら、窓の外に雪が見えた。

梦月さんが「洗濯物、ベランダに干してきたのにー!凍るー!」と悲鳴をあげていた。

今年に入って初めての雪かもしれない。

風も強く、雪はななめに激しく降っている。積もる降り方だ。

……ああ……なんかわびしいなぁ……。

最近、2月が近づくにつれて、個人的にかなり無常感が強くなってきている。

本番が19日に控えていて、1ヶ月をきっているのが最たる原因なのかもしれないが、

彼が切腹したのは2月23日。旧暦だから、今では3月20日頃になるようだが、

それでも、その4日前の2月19日の心境というのはどんなものだったのか。

…あの時、その季節にはめずらしく雪が降っていたんじゃないだろうか…と最近、思うのだ。

大津に向けて歩いた時にどれだけ雪は降っていたのか。

馬で行けば遠くまで行けたのに雪に脚をとられては可哀想だからと自分で歩いたのか。

春を待たずしていった彼の心の中にどれだけの想いが降り積もっていたのか。

降り積もる雪を見て遠く故郷の仙台を思い出したのだろうか。

帰るつもりだったのだろうか………。

今となっては何もわからないが、この間、夢を見た。

遠く向こうの方に、一目見ただけで優しそうだとわかる人があぐらで座っていて、

その人の右隣には誰かがいて、その誰かを見上げて彼は楽しそうに笑っていた。

彼が彼だとなぜかわかった。

彼が誰と笑い合っていたのか、沖田くんなのか、明里なのかわからなかったが、

その横顔を見てほっとした。

ああ、彼は決して絶望のうちにいったのではないのだ、よかった……と思っているうちに

眠ってしまったので、レム睡眠時の夢うつつ体験らしいが、それでもどんな形ででも、

彼の何かを垣間見ることが出来たような気がした。

できるならもう一度、といわず二度三度、会ってみたいものだけど。

けどたとえ夢の中でも、手合わせはしたくないなあー。

っていうかそれだけはムリ。ゼッタイ(--;)。