FA お稽古場日記
(Part 4)

やっぱり稽古場日記が更新されていません。…いつもの事です。ごめんなさい…威張ってるわけじゃないんです、反省。この時期、公演関係者は皆それぞれのパートで命をかけているため、稽古場日記を報告するよりも「職人気質」集団へと変貌するのです。…たまには協力しやがれ!…あ、つい本音が。しかし、舞台職人と化した関係者達は耳を貸さないでしょう。それだけがんばってるってことか。そうなんです、本番まであと1ヶ月をきったのです。おそろしや〜〜!!!稽古場は順調な遅れムードに焦りつつも、いいチームワークでギャグとツッコミにあふれています(…それはどうだろう…あかんやん)ネタは満載、湯水の如し!なのですが…根は真面目な関係者達、稽古後は稽古場日記を報告するよりそれぞれのパートの更なる向上に努めているようです。久しぶりのお稽古場日記となってしまいましたがあと1ヶ月をきった『1999‐』のお稽古場、皆の狂乱ぶりをご報告します。

恐怖の第7場
 今回の舞台は心理劇に近い形態を取っている為、象徴的なセリフが多く出てきます。特に第7場は出演者全員が脈絡のない単発のセリフを各々が語るので覚えるのがすごく大変です。7場が来ると全員が口を揃えて「7場〜〜〜!」と叫びます。先日の稽古に「今日は7場を覚えるぞ!!」と演出の声掛けのもと、何度も練習をしました。TAKE36くらいまでやったでしょうか?!やっとヘロへロながらラストまで到達するようになりました。演出の指示は「このシーンはそれぞれの世界で芝居をして下さい」と言うもの。しかし稽古場では「●○×△」と何らかのセリフを言った後に「???(本当にここで私のセリフ言ってもいいの?)」…いったい、誰に聞いてるの?と突っ込みたくなるシーンになっています。本番までにおぼえてね、みんな!!…本番時、誰がつまるか恐怖だ…。

薫の犬はセバスチャン?!
 薫「…テラスで犬と遊ぶ僕に母さんが声をかける」というセリフが出てきます。薫・悠役の辻田みっきぃはこの犬の名前を「セバスチャン」にしたのだそうです。稽古場で「セバスチャン、おいで!!」と声をかけるとなぜか和彦役のかずきさんが舌を出して走ってきます。すると、悠の母とっくんサンがムツゴロウさんになって「よ〜し、よしよしよし!!」とお腹を撫でます。…これが悠の家の風景だそうです。夢が壊れました…。

殴られるのを怖がる直人
 大きな舞台でのお芝居は誰かの頬を殴るシーンは平型ゴムを組み合わせた音出しの小道具で音を出すのですが、今回のように小さい空間での舞台ではリアリティを出す為、ほんとうに平手打ちをしています。後半のシーンで和彦が落ち込む直人の頬を殴るシーンがあります。直人役のしのぶさんはそのシーンになると殴られる前に目をつむっています。殴る側のかずきさんはそれを見て大笑いするし、しのぶさんは「怖いねんもん!!」と本当に泣きそうになっています。本番までに怖さを克服してがんばって殴られてください、しのぶさん。

「はい!『僕にキスして』からいきます。」
 ある日の稽古場、音響きっかけをメインにお稽古をしていた為、役者達は音のインに合わせて途中のセリフを抜いた状態でお芝居をしていました。「じゃあ、次のところ…薫の『僕にキスしてよ』からね!」と指示が出る。薫役のみっきぃと和彦役のかずきさん、「そ、そんなところからいきなりですか?!きついなぁ…」と逃げ腰の二人。しかし、演出は厳しかった。「音響きっかけをやってるんだから仕方ないでしょ?!」みっきぃ&かずき「…わかりました。」そのあと、役者根性で二人はいきなりのラブシーンに必死に挑んでいました。

ミーハーな則夫&直人
 衣装合わせのあった日、今回は映画のイメージとは違う普通の男子生徒の制服で…との演出の指示に従ったものが用意された。先に直人と則夫の衣装合わせとスラックスの丈合わせが行われエンブレムやネーム刺繍等、衣装についての説明があった。少し遅れて衣装を着用し始めた和彦・かずきさんと薫・みっきぃ。自分達の衣装合わせが済んでいた則夫・つぐみと直人・しのぶさんは「和彦、おいしそう!」とか「薫、いいわぁ…」とミーハ−になり、つぐみにいたってはデジカメを取り出してカメラ小僧になっている。君達がそんなにミーハーだったとは知らなかったなぁ。…今回の衣装はわりとありがちな普通の制服なので「1999−」の世界がアブナイ感じがするのは…カンちがいかなぁ?!

悠の母VS和彦の父
 劇中で和彦の父になったり悠の母になったりする難しい役どころの「私」役のとっくんさん。稽古始まりの頃は「和彦の父の苦悩がよくわかる」と父に思い入れをしていたのに最近では「悠との生活を思い描いたら悠の母がよくわかるわ〜!」と言い出した。稽古場で和彦が叫ぶ。「父さん、僕のほうがすきだよね?」薫が負けずに言う。「僕に決まってるよね、母さん!」…その日の勝敗は「今日は悠のほうがスキよ。」打ちひしがれる和彦…溶暗。本番までこのバトルは続くのだろうか?

じいの新兵器
 美術担当のじいが演出の指示で『卵型』ランプを作成している。これが決定するまでに試作品が3個あったのだから驚きだ。だから本番に使用するのは卵型ランプG4号と言う事になる。「1999−」ファンサイト『エンジェルハウス』様のオフ会で「じいの美術を楽しみにしています!」と言って頂いたため、じいはがんばっているようだ。それ以外にも前回公演で使用した卵型のパソコンを今回も使用するのだが、そのまま使うのは嫌だから「点滅ランプを増やしてみた!」とあちこちに工夫を見せている。さすがはFAのドラえもん!どんな大道具、小道具が出てくるのか楽しみにしています!!

    …というわけで、稽古場は暑いです。まるで「ガラスの仮面」みたいです。
 スタッフ&キャストは思考錯誤を重ねて本番までの暑い暑い夏休みを過ごしています。本番まで1ヶ月をきった稽古場、皆様に楽しんでいただけるように関係者一同、がんばっています。楽しみにしていて下さいね。…以下、次号稽古場日記を待て!
(本番終了後にならないようにしないと…とほほ)