FA お稽古場日記
(Part 2)


はい!今週もお稽古場日記を書いております。いつものパターンですと本番が近付くと「稽古場日記」を誰も書かなくなり…「終わってしまいました日記」になってしまうので、今回はそうならないよう目標を定めてがんばりたいと思います。(…今のところは…ぅ…いえ、ゴホン^^)

今のところ、お稽古は本読みとディスカッションが中心。演出家の指示のもとこの「1999−」で描きたいテーマと各々の役の関わりについて話し合って非常にグレードの高いお稽古になっています。(ただし、ディスカッションは全て関西弁の為はた目にはグレードが高くは決して聞こえませんが・汗)

薫がやってきた。
 今週のお稽古に薫役の辻田みっきぃがやってきた。みっきぃとは『少女革命ウテナ』時に薫幹役(カオルミキって…あ、これも薫って名前だ!)で初出演してもらって以来のFA内での彼女の呼び名だ。昨年は「爆待、新鮮組だ!」でも一緒に舞台をつくりとっても世話になっている。みっきぃは自劇団の舞台を来月に控えながらも稽古に参加してくれた。ありがとう、みっきぃ。

そして本読み
 薫役を交えての本読みが始まった。…うまい…。他の出演者も負けじと白熱する稽古場!ホントに本読みとはいえ皆、熱演。この瞬間、誰もが確信した。

『この舞台、絶対成功する。』

今回のキャスティング、最高だと思う。脚本自体も各キャラクターの色がハッキリと出ているので前作よりも心の動きがよくわかる。いかにオリジナリティを発揮して作るか全てこれからだが、きっといい舞台が出来あがると思います。乞う、ご期待!!!

ディスカッション
 みっきぃ 「薫は和彦をゲットしたから、それからは少しおとなしくしようかな…と。」
 演出 「いや、ゲットしたからこそもっといやらしくいじめて!」
 みっきぃ 「そうですか、わかりました。くは〜、俺っていやなヤツ〜!!」
 かずき 「和彦はさ、薫に惚れたらもうボ〜ッとしてアホになってるねん。」


…ちょっと待て!文学的な要素と深層心理の部分を強化した「1999」じゃなかったの?何でこんな下世話な会話が繰り広げられるんだよ?!
『1999年の夏休み』を知らない皆様に申し上げます。
この作品は夏休みの寮に残った4人の少年達のまるでガラス細工のように壊れやすい心を表現した作品です。上記の会話通りの想像はお止め下さるようお願い申し上げます。…汗(~~;)

則夫君について
 …則夫君、君は謎の人だ。ひょっとしてちょびっとテンネン入ってるかもしれない。則夫というのは登場人物の中で皆よりひとつ年下の間まだ子供っぽいキャラクター。則夫役のつぐみ和はFAに初参加の人。そのキャラクターと熱意で則夫に選ばれた彼女は…本当に則夫らしい則夫のように思う。皆がディスカッションしている間、じっと聞き入ってあまり話さない。演出が則夫について意見を求めると「則夫は寂しいんです。意地張ってるんです。」…うん、それで?トータルで話を聞くと、あ〜彼女なりの則夫像を持ってるんだなぁとわかるのですが、その表現が独特でその場にいた皆が「?…あ〜、そう言うことか。」と変な間を作ってしまう。普段の会話もおっとりしていて「テンネン則夫」賞は君のものだ!と言いたくなってしまう。…いや、つぐみ君!誤解しないで。誉めてるのよ〜〜!!!

演出家曰く
 「今回は前作とはイメージも描きたいものも変えるつもり。その為に映画版には出演していない『私』を登場させ、5人の出演者で構成している。どの世代の人が見てもそれなりに納得して、忘れてはならない部分を思い出し前を向いてもらえる作品にしたい。」

…というわけで演出家も本心は真剣のようです。(当たり前だろ?!)
『1999‐』新作の稽古が始まったんだなぁ…と実感がこみあげてきました。
きっと、皆様に素晴らしい舞台をお届けできると思います。
では、次回のお稽古場日記をお楽しみに。

          (下世話にして崇高な理想を持つ
不思議なお稽古場より…愛を込めて^^)