「Moon」稽古場日記B12月15日

● 今回の演目は、一年ぶりのミュージカルだ。

芝居に加えて、歌やダンスシーンが入るため稽古の様子も少し変わって来る。
稽古始めに基本的なストレッチ等のアップ作業をやる事は常だが、今日からはバレエの基本とダンス・歌の発声が加わる。
作品中、12曲予定されている歌のうち既に決まっている2曲のモチーフを練習する。カラオケで歌う日常と違い、発声にもものすごく腹筋を要する。
・・・しっかし、こんな高音・・・誰が出せるんだい?・・・心の中でつぶやきながらふんばる。・・・今だ・・・悲鳴のようだ・・・。



「目指せ!スリー●イツ?」

オリジナルの曲がまだ上がっていないので、今日は既製の音の合わせてダンスの練習で、なんと某ミュージカル「セー●―ムーン」のスリー●イツのダンスナンバーをモチーフに中野氏が振りを付けていく。
稽古に参加していた葵・桐生・岩本・大名は、先週ビデオ学習していた事もありかっこいい系のナンバーのコピーにキャイキャイとはしゃいでいた。
特に「スリー●イツ」の一人をいたくお気に入りの桐生は、まんざらでもない様子。・・・しかし、現実はそう甘くはなかった・・・。
当然の事ながら、カウントは早いし、ボディは思うようには動かへんし・・・
おまけに変身モノを意識した振りになっている・・・かどうかは定かではないが、手・足がバラバラに動くし。(こんなん、別にフツーの振りやんかあ!と振付け中野は、ため息をつく)

「あ〜!!あたし、リトミックみたいなんあかんねん!!」と冷や汗をかく桐生くんの姿がありました。

・・・大丈夫か?こんな調子で・・・。



「オ〜人事オ〜人事!!ぱーと2」

 稽古場でCMの「022−022」が横行している事は、前回の日記でも述べましたが、この現象はメンバーの誰かがボケるか(落ちこぼれ役の葵のように)もしくは、へたれる時に現れる。

 今回、司令官役という事でプレッシャーを感じているらしい桐生くんは、稽古中とかく、へたりやすい状態だ。

 皆が、「かっこええわ〜月桂冠さま!」(注:司令官名を月桂冠という)とか

「やっぱ、ギャ●クシア様でいってもらわんと」(注:この名が御分かりになる方は、かなりのつうです)と演出が言う度に電話を取りに行くマイムをする。「022」に電話しようとしているらしいが、そこは部下も心得たもの。

 すかさず、部下セレネー役のさおり嬢が「あっ、ゲッちゃん電話しようとしてる!」と発見すると部下ナナ役のなちくんが「だめですよ。え〜い、電話線切っちゃえ。プッツン!」とマイムで対抗。

 仕方なくこの日のゲッちゃんは、「いいもん、糸電話でしゃべるから・・・」と

 ポケットから糸電話を取り出していた。(もちろんマイム)

 それを見た、さおりセレネーとなちナナが「上司に恵まれなかったら・・・」と「022」のダイヤルを回したのは言うまでもない。



 「脱走組は、やっぱ悪い子??」

 週末の度に京都で稽古が行われる為、大阪組のなちナナはFAの事務所にお泊りする事が多い。

 今日も葵トートと司令官ゲッちゃんと三人で寝ることになったのだが、何を隠そう何にも隠さないが、葵となちは超夜行性。

 二人して平気で明け方まで話している。

 かたや桐生ゲッちゃんは、朝には強いが午前0時を過ぎると電池が切れてしまう体質なのだ。

 いっこうに寝る気配を感じさせない二人を尻目に電池の切れた桐生は、そそくさと蒲団に向かう。

 そこで一言「・・・夜更かし・夜遊びの悪い子脱走組には、付き合ってられんわ。良い子のゲッちゃんは、先に寝る!!」

 ・・・ごもっとも・・・美容と健康の為に睡眠は、しっかりとりましょう!





・ さて、そんなこんなで稽古は進行中ですが、次週には脚本の大幅改訂が行なわれる予定です。

「だって、このままでいったら90分モノになっちまう」とは、脚本の中野氏の談。

時間規制のある演劇フェスティバルなのでリミットは60分なのです。どうなります事やら・・・。次回の日記で報告致しますね。