2003.10.11 担当:葵
  今回の「さくらのごとく」は歴史上の登場人物が出る作品という事で、とっくんさんとなちと私は

新選組ゆかりの壬生寺と山南敬助さんのお墓参りに行って来ました。

久しぶりに訪れた壬生寺は来年の大河ドラマの前宣伝の影響か駐車場やグッズ販売店が実に充実していてビックリ。
まずは新選組の屯所があった壬生寺にお参りすることに。寺の門を入ると右手に新選組を祭った壬生塚があり、正面に
壬生寺の本堂を望む。手を合わせ三人で公演成功を祈願する。この場所で新選組の隊士が剣術の訓練をしたと聞く。
昨年、新選組モノをやったときにも感じたけどほんの100年と少し前にこの場所で生きた人たちの息吹を実感した。
 
山南敬助、沖田総司、そして明里・・・幕末に命を燃やし尽くした人たちに恥ずかしくない舞台を作りたい、
本当にその時代を知ってるわけじゃないけれど、きっと伝えられる想いはあるはずだから。
私は以前から新選組が好きだったけれど、土方歳三の生き方が好きで沖田総司をよく知らない。
そんな奴が沖田総司を演じるのだから、沖田総司ファンに嫌われないように頑張りたい。
勉強せねば!
今回の舞台の沖田は皆のイメージの『子供と遊びいつも笑っていた沖田総司』のイメージに至るまでの
何故、総司がそう生きるようになったか?が描かれていてとても興味深いけれど、とても難しい。
現在、葵・・・悩み中!
それはさておき、話を元に戻しまして壬生寺で手を合わせた後は新選組を祭った壬生塚へ行く。
局長近藤勇の胸像のあるこの場所には何人かの隊士の墓があり、持って言った線香を焚き手を合わせる。
沢山の記帳ノートに書かれた新選組に思いを寄せる人たちの想いを見て、気持ちを新たにする。
壬生塚を後にして、少し歩いて山南さんのお墓のある光縁寺へ。この辺りは新選組ゆかりのお寺も多く
細い道に古いお店や家屋、お寺が残っている。小路を歩いているとタイムスリップしたような気持ちになる。
・・・光縁寺にある山南さんのお墓はお寺の一番奥にあった。
線香を焚いて手を合わせる。気付くと山南さんを演じるとっくんさんは『山南敬助殿』と書いた手紙を山南さんのお墓の前に供えている。
この人はこういうことを決してひけらかしたりしない。自分の想いを山南さんだけに報告して誓ったのだろう。
私もがんばらねばと想いを新たにする。その奥にある『沖田氏縁者之墓』と書かれたお墓にも手を合わせる。
とっくんさんによるとこの墓は山南さんの愛した「明里」の墓という説があるらしい。(こういう所、とっくんさんは密かに博学)

無縁仏になるのを哀れに想った沖田が自分の名前で墓を作ったというのだ。ありえる話だけに
明里を演じるなちと沖田を演じる私も真剣に手を合わせる。そして光縁寺本堂でも手を合わせ
新選組の資料に目を通し、記帳を済ませて少しまったりと時間を過ごした後、光縁寺を後にする。
再び小路を歩き、山南と明里が今生の別れをしたといわれる旧前川邸へ・・・。
葵「ここが山南さんと明里が最後の別れをした・・・」ととっくんさんとなちに言おうとしたら二人の
視線はそこに在らず、もっと彼方に向いている。???何があるのか?!と思い二人の視線の先を追う。
二人が見ていたのは前川邸をすっとばしてその先の『金つば屋さん』だった。脱力する葵。
葵「何でそんなに緊張感ないんですか?」 とっくんさん「何で緊張感がいるの?」 なち「食べる方が大事です!」
・・・・・・今回の舞台のパターンだ。マイペースで緊張感のない山南に頑張り過ぎる沖田、そのまんまの光景・・・。
負けじと前川邸の説明をとっくんさんにした葵に一応反応してくれたけれど、やはり二人は金つば屋さんが気になるらしい。
・・・3分後、前川邸の前で金つばをほおばる3人の姿・・・(すみません、私も一緒に食べました・・・汗)
そして、新選組グッズ売り場を少し見学して壬生を後にする。昼から大阪に帰り制作ミーティングがあるからだ。
車で帰る前に島原の門跡を見学する。ああ、ここで明里さんに会ったんだなぁ・・・。
山南敬助や沖田総司が実際に過ごした場所に想いをはせて自分が演じる沖田に少し、命が入った気がする。
まだ私は沖田総司の事をあまり知らないし、自分の沖田総司を作っていない。100年少し前に確かに生きた彼の
生き様を私なりに生きてみようと思う。私自身の生き様も彼と一緒に探してみようと思う。
・・・何か稽古場日記にならなかったかな?
稽古が始まって仲間とともに試行錯誤するのは彼らが新選組で様々に悩みながら生きた時間を再現する事にも繋がるような気がする。
自然体で・・・でも、一生懸命生きてみようと思う。