<はらはらドキドキの、本番舞台裏・突撃レポート! by明里>

無事に 「さくらのごとく」 本番も終了いたしまして、関係者一同、ほっと一息。

皆様、お待たせいたしました。

チクリ屋・明里による、本番裏突撃レポート、いきます!

今回もモチロン、無断掲載ですよ。ふふふ。


【山南敬助 編】


■■ 其の壱 ■■

誰もが涙した。そう、それは山南さんが最期に、明里へ手紙を手渡すシーン。

「直接渡せてよかった」 という手紙には、最愛の彼女への今生の別れの手紙。

夢を叶えて生きていってくれ、という力強い想いのつまった、切ない手紙……。

が、しかし!

この手紙、本番前日にせっせと書いていたのは、なんと明里であった!

史学科卒業の梦月。ワンシーンのための小道具にも手を抜かない。

ちゃんと、候文+古字でしたためておりました。

山南さんの遺書は、明里の代筆だったのです……。

ちなみに、本番前の超絶な緊張の中、誰ともなしに歌いだしたのは

♪ 山南さんからお手紙もろた 明里さんたら読まずに食べた〜♪

という、とってもブラックなものでした。

■■ 其の弐 ■■

新選組から脱走して、大津の宿で沖田と向かい合った山南さん。

「一手、手合わせ願おうか」 と、真剣を抜いて立ち会う二人。

今まで我武者羅に力押しで刀を振るっていた沖田が、一瞬の隙をついて山南を捉える!

「力が抜けたね、沖田くん。ここで斬られても私は本望だよ」

山南は優しくそう告げて、納刀――するその瞬間!!!

「あれ……まさか逆刃!?」

音を立てて、体中から血の気が引いた、と山南さんは語っております。

お稽古通りに手を返したと思うのに、最後の確認をしないままに、納刀の段取りに入ってしまった山南。

「だ、大丈夫だ。何もおかしなことはしていない! 入る、ちゃんと入る! むしろ入れ!」

と、かつてないほどに祈り倒したそうです。

日本刀は、逆刃でも半分くらいは鞘に納まってしまうので、その瞬間まで真相は判らず仕舞。

目の前が真っ白になりながら、山南さんはこう考えたそうです。

「もし入らなければ……沖田君を斬るしかない……っ!

……ちゃんと納刀できてよかったですね、山南さん、沖田さん……。