<稽古場の呟き by 明里>


 今回の「さくらのごとく」は3人芝居。

制作チーム「さくら2」が2人と、演出助手が1人、美術が1人。

お稽古場では最大7名がそれぞれの仕事を、それぞれに行っています。

大阪人3人、京都人4人。おかしなことがおこらないハズがない!

というわけで、チクリ屋・明里のお稽古場裏日記です。

関係者騒然、ぶっちぎりの無断掲載です。うふふ……。


【名ばかりの?】

山南敬助は、初期新選組の総長だ。

局長(近藤)と副長(土方)の間にいる、 いわば究極の中間管理職!山南さんは自嘲する。

「私は名ばかりの総長だよ……」と。

どう声をかけていいのか迷う、沖田総司。

山南さんと土方さんの間にある、 深い深い確執の片鱗――。

しかし! 沖田君は、酷かった。容赦なかった。

初対面の明里に、こんな発言。

「私は新選組の沖田総司。この人は名ばかりの総長、山南敬助だ。  少しは口を慎め!」

つつしむのは君だ

天才剣士だけに、一刀両断。

「どーせ私は……」といじける山南さんの背中がすすけていました。


【やっぱり名ばかりの?】

かずきさんは、今たこやきにハマっている。

大阪でお稽古があると、必ず休憩にはた こやきを食べている。

そのせいだろうか。休憩後のお稽古で、力いっぱいこんなことを叫んでいた。

「私は新選組の沖田総司。この人は名ばかりの総長、山南ソースだ。  少しは口を慎め!」

ソースって。

「総司」と「敬助」が混ざって「そうすけ」と言いそうになった! と主張するかずきさん。

誰一人信じない私たち。たこやきのせいだろ、とツッこむ一同。

「どーせ私はソース……」と、またもや山南さんはいじけていました。


【浮気!?】

「さくらのごとく」の山南さんは、盆栽が趣味だ。大切に大切に育てている。

沖田君に「おじいちゃん」と呼ばれてしまうほど、盆栽が好きだ。

そして、お気に入りの桜の盆栽は、その名もズバリ 「さくらちゃん」 という。

山南さんは、さくらちゃんに話しかけている。(答える声は制作のゆかりちゃんだ)

その名が決定した日、山南さんは劇中でもさくらちゃん設定を使おうとしていたが、

「なんか山南、変態っぽいから却下」 と演出のダメをくらって、お蔵入りしてしまった。

皆さん、劇中で盆栽を見たら、こっそり心の中で「さくらちゃん」と語りかけてください。



【殺陣】

時代劇ですから。新選組ですから。 殺陣は、欠かせない要素です。劇中で出てまいります。

山南と沖田。二人が向き合い、刀を構える。動かない二人。 静寂の間。

正眼の構えから、挑発するように山南がすっと剣先を降ろして、沖田は踏み出す!

いざ……!

……というような緊迫したシーンで、とっくさんさん@山南とかずきさん@沖田は

「次、次なんだっけ!?」と、お互いにアイコンタクトを飛ばしまくっている。時には次の手を叫びあっている。

……もうすぐ本番。そろそろ見詰め合うのはやめて、カッコイイ殺陣を見せてくださいね。