FANTASY ADVENTURE 32th PERFORMANCE


作:演出 中野圭子

於:京都府立府民ホール
2002年2月28(木) 19:00


幕が開くと、そこは保健所の檻の中。
方々から集められた犬達の姿がある。
野犬狩りで捕まった犬。飼い主に連れて来られた犬。
彼らは皆、「必要とされなくなった犬」なのだ。
犬達が、保健所で過ごせるのは7日間のみ。
その間に「選ばれなかった犬」は
7日目には法の名のもとに殺されてしまう運命にある。
果たして彼らは、選ばれるのか?
選ばれるのを待つだけが、彼らの運命なのか?
タイムリミットが近付き、犬達は保健所からの脱出を試みる。
この壁の向こうには、「本当の自由があるに違いないと」信じて・・・。


「ダックス・クマテツ・バレリーノ」
  犬種:ダックスフント(♂)

ダンサーのご主人に飼われていた
が足を傷め踊る事の出来なくなったたご主人は死を選んでしまう。

「短足の役立たず!
酷い言葉をぶつけるご主人を
僕は怒れなかった・・・。
だって本当に僕は何もしてあげる事が出来なかったから・・・」



「ダル・メシアクライスト・スーパースター」
  犬種:ダルメシアン(♀)


教会の神父に育てられた彼女は置き去りにされた今も神父の口癖だった言葉を繰り返す。

「私は、この言葉の本当の意味を知らない。
  ・・・神の思し召しを・・・」



「チョビリアン・ハスキー・ボイス」
  犬種:シベリアン・ハスキー(♂)

北国生まれの彼は、もう一度ご主人と大雪原をソリで走る日が来ると信じていた。

「約束したんだ!
  ・・・きっと迎えに来てくれるって」



「ゴー・ヒロミ・エルドラード」
  犬種:ゴールデン・レトリバー(♂)

彼のご主人は、意味の無い中流意識を持った家族だった。
一戸建ての住宅に住み、流行のぺットを飼う事がステイタスとでも言うような。

「俺のご主人は、沢山食べさせると番犬にならない・・・そう言った。」



「ポメ・ラニアン・ケセラセラ」
  犬種:ポメラニアン(♀)

マンション暮らしだった彼女は、自分から狭い世界を飛び出した。

「世の中は、ケセラセラさ。
  どんな事もなるようになる。
  ならないようにはならない!」



プー・ドルチェ・ブリランテ
  犬種:プードル(♀)

年老いたご主人と死別した彼女は、可愛がられた思い出を忘れる事が出来ない。

「私を抱きしめて、ご主人はいつも言ってくれた。
  今は、あなたを一番愛している!」



「カマ―・ナル・ホモシスト」
  犬種:雑種(♂)(♀)オカマ

オカマのショーダンサーに育てられた彼(?)は誰より美しさを追求していた。

「あたしは、自分で犬種改良したわ!!」



「スピッツ・スピリッツ・ハーマジェスティ」
  犬種:スピッツ(♀)

かつてチャンピオン犬だった彼女は、最後まで誇り高く・・・。

「勝つ事しか知らなかった・・・。
  競争する事しか教えられなかった人間は、私に何を教えたの?
  私は、自分の存在を憎むわ・・・
  そして・・・私を
  愛してくれなかった人間を!」




ピアニストの演奏

フィナーレ

フィナーレ

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ラインナップ



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