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合同公演


バクマツ!  シンセングミダッ!
「爆待!新鮮組だっ!」
・・そして、時代は変わった・・・か!?

平成14年10月13日・14日 於:大阪市立芸術創造館

爆待!爆笑街道、爆進中!!
誰も奴らを止められない!?



作品のあらすじ

その日、彼らは集まっていた。三条小橋のたもと「池田屋」に・・。
幕府と尊皇に別れ戦う若者達の 「カラオケ合戦」 の火蓋が今切って降ろされようとしていた。
彼らは命運をかけて全力で戦おうとしていた!
時代の夜明け・・・明治維新が間もなくやってくる。

彼らは幕末に新鮮な爆発を待っていた!!! 

そんな事で時代は変わっていいのか?
・・いいんです。
どんなにバカバカしくても彼らは命をかけて戦ったのですから!
そして・・新しい時代はやってきた。

全く新しいひんしゅくを買うであろう(!)幕末青春ストーリー。



「爆待!新鮮組だっ!」公演れぽーと

●プロローグだっ!●
幕開きは、クラシックの名曲「革命のエチュード」から始まる。
「誠」の文字の染め抜かれた紗幕の向こうに、新鮮組のダンダラに身を包んだ
七人の男達が見える。
皆、一応に着物に袴姿ではあるが、踊っているのは限りなくモダンバレエちっくなダンス。いいのか?これで?
足元は足袋だし、おまけに背中には「誠」ならぬ「鮮」の文字が・・・。



●局中法度だっ!●
「誠」の幕が落ちると新選組の三人が局中法度を声高に読み上げる。


近藤 「日本の平和を守るのが、我々の使命!」
土方 「その為に、新撰組は血の掟をもって結束を結んでいる。すなわち…切腹だ。」

近藤 「それが、新撰組なのだ!!」
沖田 「かっこいい、近藤さん!」

そこへ勤皇派らしき男達(高杉・桂・西郷)が刀を手になだれ込んで来る。
新撰組の三人も応戦するが大立ち回りの末、全員相討ち状態で倒れる。
坂本も懐からピストルを取り出し、ぶっぱなすが土方に切り倒されてしまう。
「まるで時代劇みたい…かっこいい。」と誰もが思った瞬間、坂本は倒れている
皆に声をかける。

坂本「…もういいぜよ。えらいさんはみんな行ってしもうたきに。」

皆は、坂本の言葉に起き上がり互いの無事を確かめ合う。
敵味方のはずのメンバーは、皆友達だったのだ!



表向きは、敵味方の彼らの集合場所は、京都伏見の「寺田屋」
ここを切り盛りする女将のお登勢は、彼らの良き理解者だ。
そして、寺田屋には坂本の婚約者 お龍がいる。
気の強いお龍に龍馬もタジタジである。



●池田屋事変だっ!●



お登勢 「…土方はん、ホンマにこんな事してて大丈夫なんどすか?」

土 方 「ヤツらとは幕府も勤皇も関係ねえ場所で先に出会っちまったんだ。
今更、友達はやめられねえよ。」
場面は回想シーンへと移り、彼らが初めて出会った
「スーパーかっこいい剣豪は誰だ!コンテスト」会場へ



優勝者の近藤に連れられ、祝勝会に向かう。会場は、「三条小橋のたもと、池田屋」
カラオケ好きの近藤はマイクを離さない。
したたか酒に酔った桂は、マイクを分捕り絶叫を始める。






高杉は日々記録していた「いい女日記」を披露する。





坂本は、お龍にプロポーズした時の様子を語る。



西郷は、蛤御門の変で出会った「桜の打ちかけの女」に一目ボレしたと告白。
しかし、その女は実は戦火を逃げる桂だった。
西郷も皆も真実を知らない。

.
そこへ捕り手が現れる。7人は、敵味方に分かれ白々しく大立ち回りを始める。



これが、「池田屋事変」の真実だ!

一方、桂は裏で岩倉の密偵として幕府側・倒幕側両者の動きを報告していた。



岩倉 「麿は、どっちが勝っても別に興味あらしまへん。はよ決着つけてくれへんと うちら格式の高い公家は「痛みに耐える構造改革」ちゅうのには向いてまへんのや」

●島原の乱…んっ?●

西郷さんの初恋の君を捜す為、皆で島原に繰り出したが…。給料日前で金がない!
桂は、西郷の思いこみに「桜の君」が自分である事がバレるのではないかと気が気ではない。
そこへ、町娘のお琴が通りかかる。聞けば島原に身売りに来たのだと言う。
西郷も桂もけなげな お琴に淡い恋心を抱くのだが…。



●寺田屋事件だっ…ウソ?!●

7人は、お琴の就職口を見つけようと寺田屋の お登勢に頼み込む。
何とか雇ってもらえる事が決まり、一安心。



7人は、各々の夢を語り合う。

高杉 「ワシは、この国が新しゅうなったら、男が接待して国中のええ女が集まってくるこの国初のホストクラブを作りたいんじゃ。」
沖田 「僕は、いつか…お光姉さんのような綺麗で可愛いお嫁さんを貰って、白い小さな家に住むのが夢なんです…子供は、二人。」
西郷 「早くこの国を新しくして、大好きな犬を育てるトップブリーダーになりたい。」
土方 「俺は…考えたことも無い。新撰組が大きくなればいい。
武士 として生きて、死ねればいい…それだけだ。」
坂本 「異国の文化を積極的に紹介するテーマパークを作りたい。
皆が楽しめる異国の町を日本に再現するんじゃ。」
「ワシは…夢なんて考えたことも無いです。ただ勉強して、偉い人に選んでもらうのを待つしかない。…そう、思うちょります…。」


皆が夢を語る中。桂だけは、夢をみることが出来ない。
そんな桂を皆は、「いつか必ず見つかる」と励ます。



寺田屋の三人衆は、男達を心配しつつも暖かく見守っていた。



お龍 「龍さんが作ろうとしている日本をうちも一緒に作りたい。」
お登勢 「うちには、この旅篭を守ってここで生きる事しか考えられしまへん。
そやけど、あの人らを待つ気持ちのええ港になりたい思うてます。」
お琴 「あの人らが敵味方やてほんまどすか?うちには全然そうは見えしまへん。」
お登勢 「敵も味方も関係あらへん。あの人らはホンマの日本人どす…。」

●薩長同盟だっ!●

自分の動向に迷っている桂は、岩倉の思ったとおりの情報を届けない。
イライラのつのった岩倉は、桂を怒鳴りつける。

「この桂、一生のお願いでございます。
薩長と幕府の戦はどうしても避けたいのでございます。藩の面目がどうのこうのといった
小さな事柄ではなく、この日本国の為に命を投げ出しとうございます。」
岩倉 「桂はんかて長州にいて、ただの田舎武士で終わりたないさかい麿に雇われはったんやろ?
しっかり働かんとリストラしまっせ!」

桂の様子を不審に思った土方と高杉は、岩倉邸に忍び込み様子を覗ってる。
旧知の友である桂の裏切りに、動揺しながらも必死で桂をかばう高杉に土方も
しばらく黙認する事を承知するのだった。

土方 「時代は変わっていく…ついこの間まで犬猿の仲だった薩摩と長州が手を結んだ。」

高杉 「薩長同盟か…。互いに恨みを持つ薩摩と長州に、坂本さんはどうやって手を結ばせたんかのう?」
土方 「…薩摩は西郷、長州は桂。仲立ちに坂本が入っているあたり、まともに同盟を結んだとも思えん。
薩長同盟か。…幕末最大の謎だ…。」



坂本 「薩摩と長州は、これで仲間じゃ。しかしおまんら、このゲームの事は他言無用ぜよ!」
「この国の一大事をあっち向いてホイで決めたなどと…。」
西郷 「恥ずかしくて誰にも言えもはんわ!」
坂本 「それもそうじゃのう。よし!薩長同盟成立じゃ!めでたいのう!」

この真実は、誰にも「ヒ・ミ・ツ」じゃ!!

● 海援隊だっ!「僕は死にましぇーん」…あれ??●



沖田 「私は、土方さんや近藤さんについて行くだけです。不安なんてありませんよ。
土方さんと一緒に戦って…いつか「戦ったな」と思って死んでいきたい。
だから…私は、今すごく幸せなんですよ。」
近藤 「故郷を捨てて、わざわざ京に来て新撰組を作った意味があるんだろうかな?」
土方 「そんなもんは、俺達が死んだ後人が考えるもんさ。」

桂は、お琴に淡い恋心を抱いている。
お琴の好物のみかんを渡し喜ばそうとするのだが…。

 

どうやら お琴は西郷のことが気になるらしい。
互いにみつめあう二人に桂は、ついにみかんを渡す事が出来ない。
そこへ新婚旅行から帰って来た 坂本とお龍がけたたましく喧嘩しながら出る。
相変わらずお龍の尻に敷かれている坂本であった。
坂本は皆に「海援隊」を結成した報告をする。



坂本 「わしは、船を買うて世界を相手に商いをしようと思うちょる。
皆も一緒に行こうぜよ。この国が変わったらそれも出きる。一緒に異国に行くんじゃ!
ここにいるわしらは、いうなればいつも新しい気持ちの仲間!
『THE FRESH COMPANY…新選組』じゃ!」

● 大政奉還だっ!●

岩倉 「ついに幕府が朝廷に政を返してきやはった…大政奉還や。
坂本はんは、これの立て役者…もう坂本はんは、用済みや…さいなら、坂本はん。」



「ワシは死なん!この国を楽しゅうて元気のある国にするんじゃ!
…言うたじゃろう?テーマパーク作るんじゃ…異国を皆に紹介して、黒船買うて…
メリケンやエゲレスやフランスに行くんじゃ。もちろん皆も一緒ぜよ。
…心配せんでもええぜよ。ワシはこれでも運はええんじゃ。
それに、この日本国にそげん悪い人間はおらんちゃ…。
皆、はよこの国新しゅうして、一緒に異国へ船出するんじゃ!なぁ、皆!がんばろうぜよ!」

坂本の切られる鈍い音が響く。泣き崩れるお龍。皆の叫ぶ声。

お登勢「坂本龍馬…享年33歳…自由奔放な行き様どした…。」

● エピローグ『俺たち新選組だっ!』

坂本の暗殺の知らせを聞いて、寺田屋に近藤・土方・沖田・高杉・西郷が集まっている。
そこに、桂の姿は無い。
遠くで大砲の音が聞こえている。戦がすぐそこまで迫っているのだ。

西郷 「次に会う時、ワシらは本当の敵味方ちゅうことでごわすな…。」
近藤 「ワシら違う時代に会っていたら、もっとバカが出来たのにな…。」
高杉 「いや、こんな時代に出会うたから面白かったんじゃ。」
西郷 valign="top" align="left" class="11" 「楽しかったのう。」
土方 「ホントに…楽しかったな。」   
沖田 「私は…絶対忘れません…。」
近藤 「…もしワシらの中で一人でも生き残れたヤツがいたら、そいつが皆の夢を実現する…。そう約束せんか?」
高杉 「ええのう、よし!約束じゃ!」
西郷 「皆、新しい時代でまた会おう!」
土方 「死ぬなよ、皆!」

全員手を取り合い、誓い合う。その様子を影から見ている桂。
砲声が近付いてくる。桂は、意を決したように皆の中に割って出る。

「皆、はよう逃げろ!伏見で戦が始まった。もうすぐここにも捕り手がやって来る!」
土方 「桂…なぜ俺達にそれを教える?」
「すまん!ワシは、岩倉具視の…。」
近藤 「知ってるよ。」
沖田 「桂さんは、いつでも私達の仲間ですよ。」
西郷 「誰も悪くないんじゃ、のう桂さん。」

皆を裏切っていたと土下座をする桂を誰も責めようとしない。
言葉が見つからない桂。皆に深深と頭を下げる高杉。
いよいよ砲声が近付き、皆は立ち上がる。
見送りに出たお琴に、桂は風呂敷包を渡し
敵味方となった皆と共に戦場に討って出る。
見送るお琴とお登勢。



お登勢 「お琴…忘れたらあきまへんえ。しっかり見届けるんや…。
あの人らの姿を…。」
お 琴 「はい!」


受け取った風呂敷を広げると、桜柄の打ちかけと共にみかんが転がり落ちる。
みかんを握り締める お琴。

雪の降り積もる中、敵味方となった仲間の壮絶な立合いが繰り広げられる。



桂の声 「…高杉晋作。慶応三年、病没…享年27歳。
近藤勇。明治元年、江戸板橋にて処刑…享年35歳。」


桂の声 「土方歳三。明治二年、函館五稜郭にて戦死…享年35歳。
西郷隆盛。明治十年、鹿児島城山にて戦死。」 


「沖田総司。明治元年、江戸千駄ヶ谷にて病死…享年25歳。」





仲間が折り重なるように倒れている中、桂が立ち尽くしている。

「…皆…もう起きてええぞ…戦は終わったんじゃ。
ワシは…お前らのように何も夢を持っちょらん。そのワシが生き残って何をせいっちゅうんじゃ?
皆、教えてくれ!ワシ一人で何が出きるんじゃ?」


途方に暮れ 桂は泣き崩れる。

「皆と一緒におって、ワシは…楽しかった。
一度も礼を言わんじゃったが、楽しかったんじゃ!      
…坂本さん、前にワシの夢は何かって聞いちょりましたな…
ワシにはわからん…ただ、ワシは…
ワシは、絶対忘れん!皆と一緒に船出するんじゃ!
…約束じゃ!!」


桂は皆に向かって叫ぶ。
「皆の夢を実現する事こそが、自分の夢なのだと」

〜幕〜

●フイナ−レ●




「俺たち、新鮮組だっ!」
波も嵐も来やがれ 受けて立つぜ Come On Baby
諦めない くじけない 悲しみ苦しみ Bye-bye Baby
やたら滅多らがむしゃら 夢追いかけて
落ち込んでSo Bad 笑えば So Nice
立ち止まらず Go To New World
The Fresh! 始めよう 今から
The Fresh! The Fresh Company 新鮮組だ!
(Rap)
1866 桜田門外 井伊直弼が殺された
1867 池田屋襲撃 蛤御門の変起きる
1868 薩長同盟 徳川慶喜 将軍に
1868 運命の年 戊辰戦争 明治維新 年号明治に改まる』
恋も夢もいっぱい 胸に秘め Let's Go with Love
うつむかない 悩まない 涙の向こうに Welcome Happy
生きて 恋して 笑って 転んで Oh My God
泥だらけでも 気分は All Right
振り返らず Are you Ready GO?
The Fresh 爆発5秒前
The Fresh The Fresh Company 新鮮組だ!
The Fresh Company 新鮮組だ! ♪


●出演者●


「近藤 勇」役
辻田鯉絵


「土方歳三」役
松本由紀子

「沖田総司」役
本田 司

「桂小五郎」役
桐生 忍

「高杉晋作」役
薮内友子


「坂本龍馬」役
葵かずき

「西郷隆盛」役
川東陽登美


「岩倉具視」役
長井佐知子

「お登勢」役
大名美智子

「お龍」役
岩本さおり

「お琴」役
可愛あき


●STAFF●
脚本:中野圭子  演出:中野圭子・辻田鯉絵 
照明:村上 薫  音響:大東真理子  美術:吉田正和・吉本美和
殺陣:床尾賢一
舞台監督:名栗宇留  舞監助手:西川健一
制作:TOP  製作:FA企画