「VAMPIRE」お稽古場日記

          “なんと本番終わっちゃったよ・・・?!”編




皆様、大っっ変、ごぶさたしております。いつもなら本番までに第7〜8回くらいお届けしていたこのお稽古場日記・・・忙しさに取り紛れ、メンバー関係者共にたらい回しにして気付いたらたった3回で止まっていて・・・しかも、本番が・・・終わっちゃいました。“おい!”“こらぁー!!”“タイマンだぞ〜!”・・・

ハイ・・・お怒りはごもっともでございます。でもでも!!・・・皆様のおかげで、この「VAMPIRE」神戸公演、無事終える事が出来ました。拠点地「京都」以外でのオリジナル作品・・・お客様の入りも密かに心配しておりましたが、「1999−」「ウテナ」公演ではじめてお会いしたという皆様も多数かけつけて下さりおかげ様で大盛況の内に幕を降ろす事が出来ました。・・・本当に『お客様は神様デス!』


さて!・・・皆さん、のび太くんの机からタイムマシーンにのって1ヶ月前に逆戻りしましょう!!




〜皆さん、蚊の気持ちを考えて!〜



今回の「VAMPIRE」公演は、ヴァンパイアの物語です。「わかってるわい!

『ベルサイユのばら』だなんて思ってへん!」・・・なんて誰も突っ込んではくれませんが、この「VAMPIRE」公演のお稽古、季節は夏真っ盛り!

・・・しかもFAの稽古場は周りが花壇で、蚊がすごく多い!夜ともなるとみんなあちこちで「パチン☆!」と蚊をつぶしては「・・・また殺生をしてしまった・・・」とルパン3世に出てくる五右衛門になって呟いていたのだが・・・今回の作品では登場人物のほとんどが現世か過去でヴァンパイアだった・・・というお話なので、だんだん蚊の気持ちがわかってきたのかみんなは“虫除けスプレー”を持ってくるようになった。単に自分が蚊にかまれたくないというだけの話だろうが、それでも「蚊は血を吸わないと生きていけへんもんな・・・」と蚊の気持ちがわかったFAメンバー達であった。・・・合掌!



〜バレリーナ「徳島佳子」嬢 登場!〜


彼女はやって来た・・・美しく成長していた。今回の公演でバレエシーンを受け持っていたバレリーナの方が腰を痛めてしまい、みんなが心配していた「その時!」・・・彼女から運命の電話が!!ってちょっと大げさですが・・・。「バレエといえば・・・徳島佳子嬢今どこにいるのかな?」「多分・・・日本にはいないだろう・・・海外で勉強してくるって言ってたし・・・。」彼女がいてくれたら!という思いが脳裏をよぎる。RRR・・・携帯電話が鳴る。着信名は「トクシマ」!!・・・ピッ!(注、通話ボタンを押した音)「徳島で〜す!今、フランスから帰ってきました〜!」・・・運命だ。アメリカ、フランス、スペインとバレエの武者修行をして来た彼女に事情を話す。「いいですよ〜、帰ってきて早々日本で踊れるなんてラッキー!ありがとうございます!!」・・・バレエの技術だけじゃなく人間としても一回り以上成長してきたようだ。今ではFA関係者は皆、「徳島ファン」である。



〜ルイの空腹・・・?!〜


今回の作品は「転生」が一つのテーマになっていてとっくんさん(徳永真理子)演じる『ルイ』は過去でも現世でも二重人格なので合計4人分を演じなければならない。おまけに二人の人格が交錯してのたうち回るシーンがあるので体力の消耗が激しい。・・・ラスト近くのシーンで『貴文』に生まれ変わった『ルイ』が親友の『陽介』に催眠術をかけられ自己を告白する・・・陽「君の“空白”の時間について話してくれ」貴「俺の・・・“空腹”の時間?」ネタを作ってしまった事に即座に気付き慌てるとっくんサン・・・フフフ、もう遅いのだよ。でも、お腹の空く役ですよ・・・

ほんと、お疲れさまでした!



〜クロードとレヴィン、恨まれる!〜


繰り返して書きますが今回の作品は転生がテーマです。(もう、ええって?)舞台は19世紀のヨーロッパに始まり、現代の日本になり・・・また過去に戻ったりします。そのため何度も転生する役の人達はその度に着替えをしなければなりません。ベアトリス、エリーズ、菜月の3役を演じるあっちゃん(本田司)なんか10回以上は着替えてるでしょう。でもほとんど着替えのない人達がいます。精神世界での会話が多いクロード(和泉晶)と転生できずヴァンパイアのままのレヴィン(葵かずき)です。2人は「いいよな〜、着替えがないなんて・・・いいよな〜!!」とさんざん言われ続け・・・最後には「ええやろー!」と開き直った2人でした。



〜今年もやっぱり“西園寺”??〜


昨年の「ウテナ」公演で西園寺莢一を演じたとっくんサン・・・本番前の楽屋でなにやらブツブツ・・・。「どうしたんですか?」と聞くと「演出から『ルイ』は最初の登場はかっこよく出てきて下さい。髪の毛もちゃんとセットしてください!・・・って言われた。センターで分けてロットで巻いてみたら去年の西園寺と同じ髪型になってしまった。・・・あぁ、今年も西園寺から逃れられない!」・・・ご苦労様です。



〜去年の親友、今年の親友・・・?!〜


・・・やっぱりとっくんサンの話です。昨年の「ウテナ」公演では冬芽に殴られ、今年の「ヴァンパイア」では親友の陽介に殴られ・・・2年続きで殴られつづけるとっくんサン。でもなぜか今年の親友役「陽介」「シモン」のしのぶさん(桐生忍)とは仲がいい。「私だって去年は冬芽と西園寺で親友だったのに!」と抗議するかずきさん(葵かずき)にとっくんサンはいう。「シモンとは本当の親友やもん!“本当に友達がいると思ってるヤツは馬鹿です。”なんていう人は信じれへんもん!!」・・・それは劇中で冬芽が言った事・・・許してあげて!!



〜マリー・アントワネット・ド・なおさん〜


時の女王「黒夢」役のなおさん(武内直美)、他のキャストが全くヒカリ物アクセサリー禁止の中、輪っか入り黒のベルベットドレスで演出からラインストーンアクセサリーをゴージャスにつけることを指示される。・・・キレイだ・・・まるでマリーアントワネットみたいだ。幕開き、舞台上の高いセットに立ち優雅に高貴にセリフを言うなおさん。舞台袖で眼ハートにしてそれを見ている聖(葵)と優也(和泉)。出番を終えて袖に帰ってきたなおサンに手を出しひざまづいてかずきさん「お帰りなさいませ、王妃様。このオスカル、お持ち申し上げておりました。」・・・なおさん、ニッコリ微笑んでその手を取る。「・・・ありがとう、じいや。」

・・というわけで、事後報告になりますが・・・今後しばらく

      “FA稽古場日記〜なんと!本番終わっちゃったよ?!”編

      連載いたします。・・・書く事がなかった訳じゃないのです。



約1ヶ月前から本番までのドキュメント!近くアップ予定の「VAMPIRE」公演特集ページと併せてお楽しみに!!公演にお越しくださった皆様、劇団あてにお手紙を下さった多くの皆様!お礼が遅れまして申し訳ありません。本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。・・・それでは皆様、次号をお楽しみに!