FAお稽古場日記 

VAMPIRE 編(part2)




FAファンの皆様、
こんにちは!FAお稽古場日記partAの時間がやってまいりました。「VAMPIRE」神戸公演のお稽古は順調に・・・やっぱり遅れています。現在、立ち稽古が進行中ですが19世紀末頃という設定のシーンがある為、ドレスや時代コスチュームに悩まされつつのお稽古です。昨年の「少女革命ウテナ」の時もコスチュームものといえばそうだったのですが、あの時は主役のアンシー、ウテナ以外のキャストには着替えや早がわりがなかったのです。今回は出演者全員が生まれ変わるたびにちがうキャラになるため何度も早がわりがあります。みんな、エライ事だと今から恐怖を感じています。

今回の公演は舞台上より内側の方が面白いものになるのじゃないか?(あぁ・・・そんな事を言うまい・・・でも絶対そうだ・・・。)特に女役の約2名はすごい
パニエ入りドレスのため舞台袖から出るのはきっと困難を極めるであろうと予想される。・・・達者でな・・・。



プロモーションビデオ撮影の日

広報用にプロモーションビデオを撮影しインターネット上でムービーとして流す事になった。「VAMPIRE」モノだけに夜の撮影部分が多く、カメラと照明のバランスを取るのが大変だった。暗い都会にたたずむヴァンパイア・・・という設定で、葵かずきの衣装は黒のコート。まるで、黒子のような葵を追うカメラ・・・何を思ったか、突然葵はカメラに向かって一言「キーッ!」とコウモリ鳴きをすると黒のコートをマントのようにひるがえし「わはははは〜!」と奇怪な笑い声を残して走り去った。どうしても一度やってみたかったのね・・・。後日、昼間のシーンの撮影はヒロイン本田司を交えて行われた。「そこで葵サンと本田サン、自然に話していてください。」という指示で二人は話し出す。本編ではバックに音楽と別録のセリフが入る為、二人の会話は入らないが、この時の葵と本田の会話は自然すぎる
関西弁だった。映像はそれなりにになっているのに会話はバリバリの関西弁、その場に居合わせたものは笑っちゃいけないとわかりつつこらえるのにかなり苦労を要していた。

皆様にお聞かせできなくて残念です。



「ウテナ」は終わったのに・・・。

   物語の後半、ヴァンパイアの本質を現したルイがエリーズという少女の血を吸うシーンがあります。立ち尽くすエリーズの腕を引っ張ったルイが少女の首筋に喰らいつくシーン・・・ルイを演じる徳永はなかなかこのシーンがうまくいかない。

莢ちゃん、こうヤッタラいいねん!」と葵が口を出す。葵は昨年の「ウテナ」公演の桐生冬芽などラブシーンのよく回ってくる役者で人に触る芝居は慣れている。

対する徳永は昨年の西園寺莢一役等、まじめで固い役柄の多い役者なのでこういったシーンは苦手分野らしい。「そりゃ、アナタはこんなシーン慣れてるからね。」と冷たい一言を突き刺す桐生忍は有栖川樹璃役だった。昨年の「ウテナ公演」以後、互いの呼び名を「莢ちゃん」「冬(とう)ちゃん」「樹璃さん」「ミッキ-」・・・と呼び合ってしまう傾向が未だにある。何とかならない?この呼び名?



高いのは嫌だ!!

   今回の大道具は図形型セット好きの演出の注文で大小の円柱と楕円形の台で組まれている。大きい方の円柱がほぼ出来上がり、メンバーは「いい感じだね!」・・・と大道具の出来上がりを大変楽しみに思った。・・・しかし、ひとりだけそうじゃない思いをしている人がいた。今までも度々お伝えしてきましたがアオイカズキ・・・
高所恐怖症であります。「この上に立てって言わないでね・・・」上記の記事とは全く対照的なこの態度。「私は大丈夫!!楽しみ〜」と言っていたのはヒロイン本田・・・さて本番の二人はどんな顔で舞台にのぞむ事やら・・・。



あるお稽古の日・・・。

   「次回のお稽古は車で来ないで下さい。この近くでお祭りがあるそうです。」・・・舞台統括からの忠告をみんなは聞いていたはず・・・だった。稽古当日、車でやってきたたわけモノ達はひきつる。「・・・こんなに大きなお祭りとは知らなかった。何処へ止めよう??」と右往左往。・・・忠告を聞いて電車移動してきたメンバーも駅に着いて驚く。出店が多くて稽古場への曲がり角が
わからない・・・。「ここを歩いてるって事は、きっと私たちもお祭りに来たと思われてるよな〜・・・。お稽古に来たのじゃあ〜!」と出店のたこ焼きや金魚すくいの誘惑を恨みがましくながめながら人の波をより分け迷いながら稽古場にたどり着く。車で来た組も稽古場から離れた場所に車を置いて疲れ果ててやっとの思いで稽古場へ。お稽古の始まる前から疲れてしまった一日でした。は〜・・・しんど・・・。



シリアスのはずなのに!?

   今回の「VAMPIRE」公演は昨年の「少女革命ウテナ」一昨年の「1999年の夏休み」と原作モノを舞台化することで多くの皆様から頂いた力をベースに創る久しぶりのオリジナル作品で劇団としても大変、意欲を持って取り組んでいます。演出のイメージも「かつてない世界を作り出す!蜷川幸雄的舞台に」とゴージャスでありながらシャープな感動を伝えたい・・・と意気込んでいます。舞台のプロローグも荘厳な鐘の音、時の女王の登場、華麗なバレリーナの舞・・・とまるで
上質のオペラのような幕開きをするのです。

   続いて走り出る可憐な少女エリーズ(本田)とその兄シモン(桐生)・・・なぜかこの二人が出るとさっきまでの格調高い空気が一変してコメディになってしまう。・・・演出のねらいどうり・・・らしいのですが、放って置くとこの二人どこまでもコメディ路線へと走ってしまう。いいんですか?演出・・・ほんとにこのままで・・・??



顔合わせの日に・・・

   「VAMPIRE」公演顔合わせの日・・・バレリーナの山本さんが稽古場に来てくださった。「演出上、バレエシーンは決して手を抜けない最重要な部分・・・というわけでソリストとして活躍中の山本さんに無理をお願いしたんです。」とは演出の弁。稽古場に顔見せにこられた山本さんは本当にバレリーナ!という感じの可憐な方で皆、ファンになってしまったのは言うまでもありませんが・・・「う〜ん・・・かわいいな〜!」「好みやな〜!!」とおじさんチックに呟いている不純な輩・・・徳永と葵・・・。この二人、確か昨年の「ウテナ公演」で冬芽と西園寺を演じた時も熱演している「若葉」をじっとみつめて同じような言葉を発していた。成長してないな〜!キミ達・・・。



・・・というわけで、「VAMPIRE」公演のお稽古は順調に進んでいるのかどうか当事者達がよくわかっていない・・・というより、やっぱり進んでない・・・と危機感を持ちつつその割には笑いの方に話が行ってしまう。・・・ま、笑えている内がハナですか・・・。きっとこれからもっともっと怒涛の日々がやって来るのでしょう!がんばります!格調高い舞台を目指して!!皆様も応援して下さいね。お便りお待ちしています!!