今回の舞台では久しぶりにアイライン入りのしっかり舞台化粧の指示が出た。考えてみれば最近のFAの舞台ではあまり舞台化粧をしていない。「19−」公演の時も、少年らしい感じを出す為にメイクはほとんどナチュラルメイクだったし・・。アイラインの入った顔を見て葵が言った。「なんか・・変?!」・・いえ、あなたが変なのは今回メイクだけではないのだが・・。(再び、すまぬ!)可愛あきが葵をじっと見て少し寂しげに言う。「すっかり、和彦が抜けちゃいましたね。再演の時は戻ってくださいね・・。」そうか、そうか・・可愛「則夫」は葵「和彦」の事、本当は好きだったのね、嫌いなのかと思っていた。 |
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〜さて、本番の日・・! 今回の演フェス「MINE」公演は本公演と違い他劇団の舞台もあるので楽屋が1部屋しかありません。当然ながらスタッフ、キャストの相部屋になります。当日午前9時に集合したFAメンバーは楽屋に集まり挨拶の後、10時50分から行われるリハーサルに向けて舞台監督Tからの指示を受けていました。ダンスシーンの多い葵かずきは、 早くウォーミングアップを始めたかったらしく男性スタッフが何人もいる部屋の中でさっさと着替え始めた。これには着がえている本人よりまわりの方が気を使ってしまったようで・・。上から下まで全部着替えてからはじめてこの事実に気づいた葵は・・「あ、ごめん・・気にしてなかった。」・・そりゃあ役者の着替えなんてスタッフは気に止めたりしないけど、新人スタッフ(男性2名^^)はびっくりしてたよ。 そして、リハーサルがはじまる!本公演では丸1日かけてやる準備を演フェスでは1時間でやらねばならない。スタッフ、キャストともに戦争状態のいそがしさ・・照明、音響、舞台の全てを短時間に調整していく。嵐のようなリハーサルが終り、メンバーは各々の予定にそって行動しながら本番を待つ。開演時間が近づき、あき・まゆ・音響を舞台上でやりながら芝居をする、まり・・そして客演のとっくんさんはセリフの確認をはじめる。葵はウォーミングアップした体が冷えないよう山ほど重ね着をしてストレッチをしながらセリフを確認している。そして、舞台にかかわるFAスタッフ約10人もそれぞれの仕事の準備に入る。どれひとつかけても舞台は成り立たない・・チームワークの結晶なのだ!! そして開演時間・・・午後4時、舞台本番がはじまる。 お稽古期間が短く、心配の声が聞こえたこの「MINE」公演は大きなミスもなく・・・というよりどのキャストも完全に自分の世界に入っていて、いい舞台に仕上がった・・と思う。内容的にはいつものFAの舞台とはちがい芸術劇場(?)みたいなかんじだったけど。・・FAの本公演しか知らないお客様・・特に「1999年の夏休み」公演以降から見に来て頂いている方々は、きっとびっくりされたと思いますが・・^^ ・・ともあれ、本番は無事終了し終演後は再び嵐のような撤収作業!!静かだったのは本番中だけ。FAの次にも他劇団の舞台がある為、スタッフは大忙し・・終演後の盛り上がりは「打ち上げ」まで持ち越しとなる。・・舞台関係搬出を終え、本番終了!! さあ、「打ち上げ」だ〜!みんなは「打ち上げ」のために舞台をやっているわけではないのです。(当たり前!)でも本番が近づいてくるとまるで合言葉のように「終わったら打ち上げだ!がんばろう!!」といった言葉が飛び交う。搬出後、劇団倉庫へむかったトラック組、片付けに残った舞台組、そして出演者達が合流して「打ち上げ」が行われました。12月の「19−」公演後、忙しく今回の準備に入った為ちゃんとした「打ち上げ」パーティーをやっていなかったので、楽しかったです!舞台では「女」役でとても美しかったFA初舞台のまゆが振り付きで歌う「津軽海峡冬景色」お見せできないのが残念です。(彼女、もとはバレリーナのはずなのに・・もうこれでコメディ路線だ^^)・・本当にみなさん、お疲れ様でした。 本番の舞台作りを助けて下さった演フェス・スタッフのみなさん、お世話になりました。 そして・・今回、FAの舞台を観に来てくださったみなさん、本当にありがとうございました。 次回公演でお会い出来るのを心より楽しみにしています!(次回本公演はわかりやすいFAらしい舞台をやりますので・・^^) ・ ・さて、次回本公演の準備に入らなくては!!公演会場、日時、演目・・ともに決まり次第お知らせします。 FANTASY ADVENTURE 本公演にむけて発進!! これからもよろしくお願いします!! |
2000年2月27日(日) 16:00
開演5分前のベルが鳴る。
キャスト4人は、すでに袖にスタンバイしている。
スタッフの配置もすべてOK。
さあ、幕を上げましょう。
今回のステージは、「実験的演劇三部作」の結びの作品として生まれました。
「作品のテーマを変えることなく、舞台での表現を変化させる事でいったい何が生まれてくるのか?」
常に新しい舞台造りに挑戦するFANTASY ADVENTUREが95年発表の「キーワード」98年発表の「Yu.Ki.O」に続き、舞台の常識にとらわれない作品造りに挑戦です。
幕が上がるとそこには暗闇に浮かび上がる「私」の姿。
「私」は、時に「男」になりまた「女」になり、心の扉を開ける為自分の中に存在する「陰と陽」の部分と対面する。
人間のあらゆる面を表現しようと試みた「MINE」では、メインにくる「私」の力量が問われる事になる。
役者として演じ歌い踊り、表現の基本を見つめる事でしかこの作品は完成しない。
そういった意味では、葵かずきというアクターでなければこのステージを造る事は難しかったかもしれない。
葵が演じる「私」に4人の役者が絡んでいく。
普段は表に顔を出さない音響が演者となり、4メートルもの空中で芝居をする者もいる。
シンプルな舞台の中で新しい試みが盛りだくさんの迫力ある作品に仕上がったと確信している。
今後もチャレンジ精神を忘れることなくFA流の舞台を生み出して行きたいと思う。
(舞台監督 田中しのぶ)